いのち育むため池の空間芸術 土井さん個展

浮遊する作品と土井さん

ゆらゆらと気持ちよさそうに物体が浮遊する無重力空間――。海南市下津町の染色家、土井知子さんの個展「めぐるいのち つながるセカイ」が7月3日まで、和歌山市満屋のギャラリー&カフェAQUAで開かれている。

土井さんは近畿大学文芸学部芸術学科を卒業後、「いのちの循環」をテーマに創作。今回は「いのち」を育む「ため池」にスポットを当てた染色インスタレーション(空間芸術)の展覧会。

ため池に目を向けるようになったのは、紀美野町の草木染め作家、舟山れいらさんに出会ってから。舟山さん宅の裏庭のため池で、かつてサクラエビの漁が行われていたこと、田畑を潤し人々の生活を支えてきたため池が姿を消しつつあることを知った。以来、舟山さんとホタル観賞会や地質学講習会を開き、豊かな里山文化を次の世代へ伝える活動をしている。

会場には、チュール生地を柔らかな色合いに染め上げ、細胞のような、クラゲのようなモチーフを天井からつり下げて展示。ポリエステルやナイロンのオーガンジーを重ねた額作品6点も並ぶ。

「自分が雨粒になって、池に降り注ぐような感覚を楽しんでもらいたい」と、仰向けに寝転んで鑑賞できるスペースが設けられ、土井さんは「慌ただしい日常から離れ、大切なものを見つめ直すきっかけになれば。ぜひ肩の力を抜いて漂ってみてください」と話している。

舟山さんの染織作品の他、油彩や池にまつわる文章を紹介するプチグループ展も併開。午前10時から午後5時(7月2日のみ6時)まで。

問い合わせは同ギャラリー(℡073・463・4640)へ。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。

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