絵本大賞ノミネート 田辺出身ナカオさん

絵本を手にするナカオさん㊧と出版元の佐藤さん

昨年発行された絵本の中から読者の投票で大賞を決める「第4回みんなで選ぼうわかやま絵本大賞2016」のノミネート10作品に、田辺市出身の絵本作家・ナカオマサトシさん(34)の作品『いってらっしゃいうんちくん』が選ばれており、投票の行方が注目される。投票受け付けは31日まで。

同作品は、体の中でうんちを作る仕事をするこびとが、良いうんちの完成のために一肌脱ぐというコミカルな物語。出版元の㈱ひさかたチャイルドの佐藤力編集長(43)は、絵本の世界観のアイデアは「努力でひねり出すものではない」と話し、ナカオさんについて「ユーモアの中にメッセージを織り込むバランスが、飛び抜けて素晴らしい作家です」と高く評価する。

ナカオさんは、自身が食べることへの関心が薄いため、子どもたちには食べる喜びを伝えたいと、「食べ物が楽しそうに体に入り、遊びながらうんちになるストーリーにしました」と話す。

ナカオさんは少年時代、部屋の窓から空と海、地平線が見える環境で育ち、雲を見ては物語を作るのが好きで、母親に絵本を読んでもらう機会も多かった。20歳ごろから児童文学のような小説を書き始め、生き生きとする自分を感じるようになっていた。

転機が訪れたのは27歳。NHKEテレの番組制作を請け負う会社に就職し、子ども向け知的エンターテインメント番組「シャキーン」の制作現場で事務的な仕事に携わった。ナカオさんの真面目な仕事ぶりと、携帯小説の受賞歴などに目を留めた制作会社の社長から、子ども向け番組の企画を書くよう声を掛けられ、「ものを大切に」というメッセージを込めたファンタジーを書き上げたとき、絵本作りこそ自分がやっていきたいことだと確信。平成24年に『うれないやきそばパン』でデビューし、『いってらっしゃいうんちくん』は6作目となる。

絵本の持つ力についてナカオさんは「現代の感性で描かれたものも面白く、絵本は子どもたちを笑顔にする魔法です」と話している。

ナカオさんの作品をはじめ、えりすぐりの絵本に出合える「わかやま絵本大賞」は31日まで、ツタヤウェイ各店やアミーゴ書店和歌山店、ブックアベニュー紀州屋、宮脇書店和歌山店などで投票を受け付けている。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。