性的少数者に理解を 仲岡弁護士が講演

講演する仲岡弁護士

和歌山人権研究所(野口道彦理事長)の2016年度人権啓発シリーズ講座の第2回がこのほど、和歌山市のプラザホープで開かれ、なにわばし国際合同法律事務所の仲岡しゅん弁護士が「セクシャルマイノリティへの差別と、その問題の所在」と題して講演し、約90人が聴き入った。

仲岡弁護士は男性として生まれ、現在は女性として活動しているトランスジェンダー。性的少数者を取り巻く最近の情勢について「一部の自治体が同性愛のカップルに公的な証明書を発行するなど、前進の動きはあるが苦労や差別の現実はまだまだ知られていない」と指摘した。

仲岡弁護士は性的少数者はLGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダー)だけではないことを紹介。自身の性については、中学生の頃に疑問を感じるようになり、高校卒業後に参加したトランスジェンダーの交流会がきっかけとなって女性として生きることを決意した。

性的少数者が日常生活を送る上での苦労として、身分証明や使用するトイレ、就職などを挙げ、「集団の中で孤立することが多く、自己否定に陥りがち」と強調。民族や同和をめぐる差別の多くが、家族も同じ境遇なのに対し、性的少数者の場合は家族の理解を得るのが難しく、自殺などの深刻な事態につながりやすいと話した。

性的少数者との向き合い方について、仲岡弁護士は「テレビで活躍する性的少数者の姿を好意的に見る人は多いが、自分の身内がそうであることを知ったら受け入れることはできますか」と問い掛け、利害関係が絡んだときの対応について解説。家族から性的少数者であることを告白された場合は、自分を信頼して打ち明けてくれたことに感謝し、肯定的な言葉を掛けることが重要と話した。

参加した和歌山市の橋香代子さんは「教育現場での性的少数者に関する学習の話が印象に残りました。子どもの学校でも導入してほしい」と話していた。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。

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