魅力を案内 和歌山市語り部クラブ25周年

岡口門を背景に会員の皆さん

和歌山城など、和歌山市内の観光地で、鮮やかなピンクの上着姿の人を見掛けたことがある人も多いはず。歴史と文化に彩られた同市で、身近なガイド役としてまちの魅力を語り伝える和歌山市語り部クラブ(原田昭武会長)が発足25周年を迎えた。県外の人には和歌山の歴史の奥深さを、地元の人には新発見を。原田会長(73)は「継続は力。これからも正確に伝えることを一番に、地道に県内外の人に魅力あふれる和歌山を伝えていけたら」と話している。

同クラブは平成3年4月に発足。現在、メンバーは40代から80代まで「和歌山大好き」な51人。知識の豊富な会員たちが和歌山城をはじめ、和歌浦や養翠園、紀三井寺など市内の観光名所、遺構などをボランティアで案内し、歴史や文化を紹介する。昨年は約1万3500人をガイドした。

市観光協会に所属し、主に和歌山城で土日・祝日に常駐する他、桜や紅葉の季節に活動。案内する人の9割は県外の観光客で「ご案内しましょうか」と積極的に声を掛ける。年に1度語り部ウオークを開き、これまでに江戸時代の大名の参勤交代の道や、織田信長が雑賀衆を追い詰めた中野城跡、車駕之古址古墳(しゃかのこしこふん)などを案内した。楽しい話術で引き付け、時にはロマンあふれる話が飛び出すことも。リピーターも多く「知らんかった」「和歌山を好きになった」など、寄せられる声が活動の励みになっているという。

学校側の要請で小学校を訪ねては手作り紙芝居を披露したり、小中学生に和歌山城や和歌浦を案内したり、若い世代にも郷土の歴史を伝える。

一昨年からは増加する外国人観光客に対応し、英語や韓国語、スペイン語を話せる会員がガイドを担当。昨年は約350人の外国人旅行者をもてなした。

「訪れた皆さんに『和歌山はええとこやった』と感じてもらえたら、それが何よりです」と原田会長。以前、有田市に娘が嫁いだという新潟の老夫婦に和歌山城内を案内した際、丁寧な対応に感動した様子で「娘に聞いた通り、和歌山の人は親切ですね」と喜んでもらえたことが印象深いという。

会に入って7年目という泉治代さん(63)は「活動を重ねる度に、私自身もどんどん和歌山を好きになっています。『和歌山にこんないいところがあるよ』って、たくさんの人に伝えたいんです」と笑顔。会員自身も歴史を見つめ直す機会になっているといい、原田会長は「リタイアしたシニア世代が多くなる中、今後は会員を増やすべく、語り部の養成も図っていきたい」と話している。

5日には25周年記念ウオークが開かれた。徳川吉宗の将軍就任300年記念を兼ねた企画で、爽やかな秋晴れの下、約90人が吉宗の足跡をたどる約5㌔のコースを歩いた。

殿様や腰元、甲冑(かっちゅう)姿の会員が先導。吉宗の生い立ちや功績を紹介しながら、6班に分かれ、藩校跡や岡山時鐘堂、根上がり松、吉宗誕生地跡、刺田比古神社などを案内した。

参加した同市園部の田中佐栄子さん(73)、田中町の新ヨネ子さん(75)は「市内に住みながら、知らない場所や初めて聞くことがたくさんありました」「楽しい案内で大満足。またぜひ参加したいです」と笑顔で話していた。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。