ロボット大賞優秀賞 和大のアシストスーツ

受賞した農業用アシストスーツ

社会に役立つ優れたロボットを表彰する「第7回ロボット大賞」(経済産業省、日本機械工業連合会など主催)で、和歌山大学の八木栄一名誉教授・特任教授(67)らが開発した「農業用アシストスーツ」が優秀賞を受賞した。装着することで体に力が加わり、荷物運びなどの農作業の負担を軽減するロボット。来年には商品としての販売も予定し、普及に意気込みを見せている。

八木特任教授は大阪府泉大津市出身。大阪大学大学院を修了後、兵庫県の重工業メーカーで産業用ロボットの研究に取り組み、平成17年に和大システム工学部に着任。現在は同大産学連携・研究支援センター特任教授を務める。
高齢化社会の到来を見据え、和大着任当初は介護用ロボットを研究していたが、19年ごろ、日高川町で米作りに取り組む男性から、農作業の負担を和らげるロボットの開発を依頼されたことをきっかけに、農業用パワーアシストスーツの研究に取り組むようになった。

農業の現場では、20~30㌔もの袋や箱を運んだり、中腰の体勢で長時間作業するなど、体にかかる負担の重さが課題となっている。八木特任教授と学生らは22年から、農林水産省の協力を得て有田地方のミカン農家を中心に13県で現地実証実験を実施。当初はスーツの重さが40㌔に達し、不満を訴える声もあったが、懸命の努力で7㌔程度にまで重量を抑えることに成功した。現在は商品化に向けた最後の改良に取り組んでおり、来年度には1台100万円で計100台の販売を計画している。

今回のロボット大賞では、開発姿勢に対する評価に加え、ロボットとして複雑すぎず、簡単にもなりすぎず、適度なシンプル化が行われ、製品として成立し得ると期待される点などを評価。研究開発部門の農林水産業・食品産業分野での優秀賞となった。

開発の過程で特に苦労した部分として、八木特任教授は人間の動作を推定してアシストする機能の向上を挙げる。

アシストスーツは装着が容易で体型によって調整も可能なことから、八木特任教授は「農業にとどまらず、将来は介護、物流、建設など各分野に広めていきたい。価格も現在予定の5分の1程度に下げられたら」と話し、幅広い分野での活用に向け、さらに研究開発を進める。

八木特任教授は26年3月に設立した大学発ベンチャー企業「パワーアシストインターナショナル㈱」の社長も務めており、アシストスーツは同社を通じて販売される予定。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。