津波防災学び、交流 16カ国の高校生来県

学びながら交流を深める高校生ら(和歌山城)

「世界津波の日」を記念して、25、26日に高知県黒潮町で開催の「高校生サミットin黒潮」に参加する世界各国の高校生らが津波について学ぶ「スタディツアー」が23、24日、和歌山、宮城両県で開かれた。和歌山には16カ国の高校生「若き津波防災大使」ら約150人が訪れ、県庁の県防災センターや広川町の稲むらの火の館などを見学し、県内の高校生約80人と交流を深めた。

相互交流を通じて「世界津波の日」の趣旨を広く共有するのが狙い。海外の高校生は22日に県内入りし、23日は午後から和歌山市の県立近代美術館でオリエンテーションを受けた後、4グループに分かれ、県防災センター、和歌山城天守閣、県立博物館、紅葉渓庭園を訪れた。

同センターでは、災害発生時の拠点となる災害対策本部室などを見学。県危機管理・消防課の高瀬彰彦課長(54)が、昨年4月に運用が開始された地震・津波観測システム「ドゥネット」や防災行政無線を通じた避難情報提供などについて説明した。

和歌山城では、天守閣内で地元の高校生らが和歌山の歴史を解説。生徒らは慣れない英語でのコミュニケーションに苦労する場面もあったが、次第に打ち解け、場は和やかな雰囲気に包まれた。

案内した開智高校3年の沖島涼太君(18)は「英語での会話は難しかったですが、和歌山城の歴史のクイズを出すことで、興味を持ってくれました」と話し、参加したマレーシアのハジック君(16)は「城の美しさに感銘を受けました」と興奮した表情を見せていた。

24日は湯浅、広川両町を訪れ、午前は耐久高校を訪問。清水博行校長から「国は違っても、津波のリスクを抱える点で私たちはつながっている」と連帯を呼び掛けるあいさつがあった後、同校の生徒約50人と共にバケツリレーや災害時に役立つ簡易トイレ作り、地震体験車の乗車などを体験した。

ブルネイのザリカさん(17)は「震度7の揺れを体感したのは初めてで、すごく怖かったです」と感想を話し、案内役を務めた同校1年の鯨優奈さん(16)は「勉強する教科や学校の規模の違いなど、たくさんの会話ができました」と収穫を口にした。

午後は4グループに分かれ、稲むらの火の館や広村堤防、老舗の醤油製造会社「角長」の本社などを訪問。稲むらの火の館では、東日本大震災時に高台避難の徹底により多くの命が助かった「釜石の奇跡」や、安政南海地震の津波から村人を救った濱口梧陵の偉業を3Dシアターで学んだ他、館内を見学し、同校の生徒たちから津波について説明を受けた。

中国海南省から参加した陳昀君(16)は「地震を体験したことが少なく、濱口梧陵の故事を聴いてすごいと思いました」と話していた。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。