岩出のどぶろく復活へ 特区活用の新特産

どぶろく復活に意気込む林社長

岩出市の新しい特産品として、江戸時代に生産が盛んだったとされる「どぶろく」の復活が進められている。市が国の認定を受けた「いわで根来寺どぶろく特区」を活用した初の取り組みで、ことし9月に創業した㈱紀ノ國ファーム(同市西国分、林定男代表)が、アルコール分のない甘酒の製造、販売を始めており、来年3月をめどに、甘酒を発酵させたどぶろくの商品化を目指している。

地元の米を使ったどぶろくを特産品化することで市内農業の活性化を図ろうと、市が2年前に特区申請し、認定を受けた。特区認定により、製造者が農家であることや販売先を持つことなどを条件に、酒造メーカーに課せられる最低製造数量基準6㌔㍑の規制が緩和される。

市や根来寺の関係者が、当時の製法を復活させたどぶろく造りの担い手を探す中で、根来寺近隣でカフェ「初花」を営む林社長(52)に白羽の矢が立った。

紀ノ國ファームを立ち上げ、どぶろくの開発に先立ち、同市産の米と米こうじのみで造る甘酒「初音」の製造を開始。甘酒をさらに発酵させ、糖分をアルコールに変化させたものがどぶろくで、甘酒造りは、どぶろく造りに必要な発酵やビン詰めの技術などの研究を兼ねているという。創業に当たって同社は、日本政策金融公庫和歌山支店から、無担保・無保証で200万円の融資を受けた。

どぶろくの商品名は「杉之坊」。杉之坊は根来寺の僧坊の名前で、安土桃山時代の院主・杉之坊照算は、根来衆を率いて羽柴秀吉らと戦ったことで知られる。同市最大の観光資源である根来寺にさらに付加価値を加える土産物にしたいとの願いから名付けた。

林社長は「原材料は米と米こうじ、水だけですが、甘酒には十分な甘さがあります。どぶろくは、鍋料理に利用するなどの提案も考えており、岩出の米の素晴らしさ、体に良いものを伝えていきたい」と意気込みを話している。

甘酒「初音」は180㍉㍑で350円(税別)。問い合わせは紀ノ國ファーム(℡0736・63・5289)。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。

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