開店1年で存在感 ゲストハウスRICO

喫茶を提供する1階ラウンジで宮原さん㊧と橘さん

和歌山市中心部の新通で築48年のビルをリノベーション(遊休不動産の活用)して誕生した「ゲストハウスRICO」は、平成27年12月のオープンから1年が経過した。簡易宿泊施設やラウンジを備え、地域住民との連携も進み、新たに1階部分に食堂建設の計画が進むなど、地域での存在感を強めている。

同市主催の第2回リノベーションスクールで立案され、実現した事業で、ビルの2階から4階を居住スペース、5階を旅行者の簡易宿泊施設として改築。旅行者など外部から訪れる人と、地域住民の交流を可能にする「コミュニティ機能」を備えた拠点の構築を目的に運営が始まった。

運営している宮原崇さん(32)と橘麻里さん(35)によると、居住している和歌山大学の学生や社会人が、海外からの旅行者とエレベーターの中で会話を交わしたり、近隣住民が旅行者に同所への道案内を買って出るなど、日常に交流の機会が生まれているという。

37人の収容が可能な宿泊スペースは8月が最盛期で、年間を通した稼働率は5割強。国内旅行者とアジア各国やアメリカ、ヨーロッパなどからの旅行者の割合はほぼ半々で、「今後は稼働率を上げたい」と橘さん。

橘さんは兵庫県西宮市出身で、神戸市のまちづくりや商業コンサルタントなどの経験を経て、両親の故郷である和歌山へ。「どのような機能や店がその地域に合い、出店者と住人が共にハッピーになれるか」という視点から同施設の企画に提言をした。

ビル改築の設計を手掛けたのは県出身で和歌山大学システム工学部で学んだ宮原さん。大阪や神戸の設計事務所で約8年務めた後、帰郷した。「地域のお年寄りが聞かせてくれる昔話を引き継いでいけるような、建物の改築を進めていきたい」と願う。

同施設付近で、築56年のアパートのリノベーションを60代の家主から相談された。「RICOがなければ相談を受けることもなかったでしょう」と話し、同スクールの目的であった「半径200㍍のスモールエリアの活性化」が達成されつつあることに手応えを感じている。

同施設の詳細はホームページ(http://www.guesthouserico.com/)で。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。