段ボール女子の大野さん 母校市高で講演

自身の半生を語る大野さん

和歌山市立和歌山高校(同市六十谷、山本昌之校長)の全日制創立から3月で60周年を迎えるのを記念する式典と講演会が1月31日、同校で開かれ、卒業生の段ボールアーティスト・大野萌菜美さん(25)が、自分がやりたいことを求め続ける喜びなどを後輩に語り掛けた。

同校は昭和26年5月、定時制の市立和歌山商業高校として発足し、昭和32年3月に全日制を併置。校舎の移転や学科の設置、再編を経て平成21年4月、普通科の設置に伴い現在の校名となった。

式典には尾花正啓市長や原一起市教育長らが出席し、節目を祝福。山本校長は同校の歴史を振り返り、「今は高校も変化の時。人間性豊かに社会で活躍できる人材の育成と、教育の充実、発展に向けて取り組みたい」と式辞を述べた。

記念講演の講師を務めた大野さんは、同校デザイン科を卒業後、大阪芸術大学キャラクター造形学科で学んだ。段ボールで造形作品を作る「段ボール女子」として、DMMドットコムのCMセットの制作、雑誌『BRUTUS』の『進撃の巨人』特集号で女形の巨人を制作するなど幅広く活躍し、個展やワークショップの開催、全国ネットのテレビ番組に多数出演するなど注目を集めている。

講演では、自身が「段ボール女子」を名乗るようになった経緯や現在の仕事にたどり着くまでに学んだことを語った。

学生時代の大野さんは、映像を作る課題で初めて段ボールの工作に挑戦し、それが楽しかったことからゼロ戦や戦艦大和を制作。先生の勧めでSNSに投稿すると人気を集め、作品を通じて造形作家などさまざまな人と知り合った。

この頃、友達がいなかったという大野さんは「目指しているものがある人は友達のかわりに仲間やファンがいる。友達がいないことに劣等感を持たないでほしい」と語った。

段ボールアートの仕事については「最大の遊び」と説明。熱中して作っていると仕事の依頼が来て、依頼もまた楽しく取り組んでいるという。企業でものづくりの仕事を経験し、その度に自分がやりたいことを探し求めた結果、就職をあきらめ、どんなにつらくても自分の作りたいものを作って生きることにたどり着いたという。そのためにこだわりを捨て、自分の持つものを利用した「段ボール女子」という肩書きが生まれた。

大野さんは「遊ぶように仕事をするほうがいいと思う。今も友達は少ないけれど、最近は年に1回くらい外国に行けるようになった。多分、普通より幸せではないかと思う」と締めくくった。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。

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