市堀川に手作り船 水辺座ワークショップ

「水辺座三合」を製作する参加者ら

和歌山城の外堀の名残を残し、和歌山市中心部を静かに流れる市堀川――。その再活用を目指し、川辺で「日本酒バー『水辺座』」(同市元博労町)を営む武内淳さん(33)が8日、手作りされた船を川に浮かべるイベント「水辺×舟づくりワークショップ」を開いた。
官民連携のリノベーションスクール事業の一貫で、昨年5月の同店創業に関わった学生や工務店、武内さんの友人ら約10人が参加。ヒノキ材を箱状に組み、ウキ9個を結び付けた船の床に竹材を据え付けて完成させ、船上で和気あいあいとバーベキューを楽しんだ。
「水辺座三合(号)」と名付けられた船は4㍍四方で約10人乗り。開店から約半年が経過したころ、「市堀川に船を浮かべたらさらに楽しめるのではないか」と着想を得た武内さんは、賛同を得られた有田市の会社社長からウキを譲り受けるなどして、準備を進めてきた。
ことし3月末に高校時代の友人に船の設計を依頼し、施工は山東建築(紀美野町)の代表を務める山東洋介さん(30)を中心に進めた。わずか3週間で完成し、武内さんは「友人の協力のおかげで、スピーディーに仕上がった。遅咲きの桜の観賞に間に合った」と話す。
市堀川周辺は、江戸時代には市場が開かれるなど、当時の人々の生活の中心として多くの人でにぎわっており、江戸時代後期の文献『紀伊国名所図会』には当時の人々の営みが記録されている。
和歌山の新しい名所として水辺に着目している武内さんは「水辺には心を落ち着かせる効果があると感じる。歴史的なものと現代的なものを融合させることで、心地良い『新しいもの』を生み出すことができる」と力を込める。
完成した船上でのバーベキューに参加した、和歌山大学システム工学部の小森淳平さん(20)は「自分たちで作った船の上で食べたり飲んだりしていることが面白い」、山東さんは「武内さんは柔軟な発想に長けている人。船のアイデアには驚いたが、楽しい企画だと思い、勢いで作った。今後は船がいくつも並ぶとさらに面白いのでは」と笑顔で話していた。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。

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