旧日本軍のトンネルか 栗栖で研究家が発見

竹やぶの中で発見されたトンネル

旧日本軍が終戦間際に米軍との本土決戦を想定して備えた軍用トンネルとみられる遺構を、戦争遺構の研究を続けている和歌山城郭調査研究会の森﨑順臣さん(72)が、和歌山市栗栖の山中で発見した。15年以上調査を続けている森﨑さんにとっても、当時のままの姿を残しているトンネルの発見は初めてで、驚いている。
トンネルが見つかった場所は、和歌山東警察署から東に300㍍付近。これまで発見されている旧日本軍の陣地の多くが、山の上など周囲を広く見渡せる高い位置に設置されているのに対し、今回発見された場所は平野部とほぼ同じ高さであり、珍しい位置だという。同市岩橋の山中にも、旧日本軍の陣地があったことが分かっていたため、周辺を捜索していたところ、ことし1月に発見した。
トンネルは、高さ1・6㍍、幅1㍍で、奥行きが約5㍍。奥と途中の2箇所に、爆風を避けるための構造として特徴的な、横穴(それぞれ奥行き2㍍)が方向を転換して掘られている。
森﨑さんは軍用トンネルと見る根拠として、周辺に古墳などがなく、埋葬空間である可能性が低いこと、硬い岩盤が掘られていて、一般の民間人が手掘りできるような場所ではないことなどを指摘する。さらに、内部を広く造る防空壕の特徴も見られないことから、火薬を使って掘り進めた軍用トンネルの可能性が高いという。トンネルは、終戦などの何らかの原因で作業を中止し、未完成の状態と見られる。
森﨑さんは「米軍が加太や孝子峠方面から、安楽川飛行場(現・紀の川市桃山町)の占領を図った場合に、紀の川沿いの通りで迎え撃つために、旧日本軍が戦闘の準備を進めていたのではないか」と推測している。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。