神輿おろしや復活の「唐人」 和歌祭盛大に

神輿を担いで石段を駆け下りる男衆

和歌山市の和歌浦地区で14日、紀州東照宮の例祭「和歌祭」が行われた。紀州徳川家ゆかりの伝統の祭りを見ようと、県内外から約3万人が来場。勇壮な「神輿(みこし)おろし」に加え、ことしは渡御行列に、南蛮風の衣装を身にまとった参加者が練り歩く「唐人行列」が約350年ぶりに復活するなど、話題も多く、大いに盛り上がりを見せた。

和歌祭は、紀州徳川家初代・徳川頼宣(よりのぶ)が、父・家康を祭る紀州東照宮を創建した翌年の元和8年(1622)に創始され、紀州藩を挙げての大祭として全国的に知られてきた。練り物の芸能性などが高く評価され、戦前の観光ガイドなどでは日本三大祭の一つに数えられた。

祭りの始まりを告げる「神輿おろし」では、神輿を担いだ白装束の男衆約100人が「チョーサー」と威勢よく声を上げながら、東照宮本殿から続く108段の石段を勇ましく駆け下り、見物する人々から歓声が上がった。

渡御行列が出発する前には、和歌浦地区などに所在する文化財や景観が日本遺産「絶景の宝庫 和歌の浦」に認定されたことを祝い、くす玉が割られた。

渡御行列の演目は「連尺」や「面被」など45。東照宮を出発し、和歌浦漁港や片男波、あしべ通りなどを練り歩き、一帯を時代絵巻の光景に染め上げた。

今回は、江戸時代初期の和歌祭で南蛮風の衣装を着た人々が地域を練り歩いていた「唐人行列」が約350年ぶりに復活。原動力となったのはアジアを中心に世界各地から集まった和歌山大学の留学生たちで、昨年度に開かれた日本文化に関する授業で唐人行列の歴史を学び、カルサン(ズボン)など当時見られた南蛮風の衣装について書籍などで調べ、教員と共にデザインなどを再現した。

祭り本番には留学生5人が当時の雰囲気を伝える華やかな衣装で登場し、沿道の観客から大きな注目を浴びていた。

ベトナム出身で、同大日本語日本文化研修留学生のニュンさん(27)は「ベトナムには似たような祭りがなく、とても新鮮です」と笑顔を見せ、初めて訪れた和歌山市の中学生(14)は「神輿おろしの迫力がすごくて驚きました」と話していた。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。