かつらぎ新集荷場 農業総研が県内8カ所目

農作物にバーコードシールを貼り、仕分けをする生産者と赤井部長㊧

農作物流通の新たな仕組みを構築している農業ベンチャー企業、㈱農業総合研究所(和歌山市黒田、及川智正社長)は1日、県内8カ所目の集荷場をかつらぎ町に新設した。午前4時半ごろから近隣の生産者が収穫した梅、キュウリ、タマネギなどを運び込み、仕分け作業に追われた。

新たな集荷場は、閉鎖された元保育所を活用。同社が4月、町に利用を申し入れ、井本泰造町長(65)が快諾した。

集荷場には、生産者が袋詰めし、自ら決めた売値が入力されたバーコードシールを貼り付けた状態の農産物が集まる。販売先としてデパートやスーパーごとに仕分けし、トラックで大阪の物流センターに直送される。

キュウリや桃、柿などを主に生産している東野里美さん(68)は「自分で値段と販売先を決められるので、商品が売れた時の喜びが大きい」と話し、「新しい集荷場は、子どもを通わせていたので懐かしく、親しみやすい」と笑顔だった。

同社の赤井資浩総務人事部長(44)によると、集荷場には広い駐車スペースと雨風がしのげる建屋、作業可能なスペースが必要。同所は保育所だったので、エアコンがある遊戯室で作業し、運動場を駐車スペースにできるなど、好条件がそろっている。赤井部長は「生産者に出荷方法の新たな選択肢ができたことで、収益も上がる。農業に従事する人が増えることが、地方創生につながれば」と話していた。

井本町長は「保育所が集荷場になじむのだろうかと思ったが、使えるのならと了解した。かつらぎ町は果物の生産が盛んで、これからスモモ、桃、ブドウなど、豊富に出回る。集荷場を大いに活用してもらいたい」と期待を寄せた。

同社は昨年6月、農産業ベンチャー企業として初めて東証マザーズに上場。同社が手掛ける農産物の流通拠点である集荷場は、全国で61カ所となった。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。