外国人の心をつかめ インバウンド市場講座

インバウンド市場について講演する井上さん

急激な拡大を見せるインバウンド市場に対応し、売上アップを目指してもらおうと、日本政策金融公庫和歌山支店は3日、経営課題解決セミナーを和歌山市手平の和歌山ビッグ愛で開いた。飲食などのサービス関連の事業主ら約30人が参加し、ワークショップを通して、事例や集客方法などを学んだ。

セミナーは「訪日外国人集客で売り上げアップ~外国語ができない私でも、年間1000人増も夢ではない!~」をテーマに、中小企業診断士でフードツーリズム・コンサルタントの井上朋子さんが講師を務めた。

井上さんは、観光大国フランスに2年間留学し、国際ホテル経営学修士(MBA)を取得しており、中小規模事業者を対象にマーケティング戦略や外国人対応策などの支援を行っている。

訪日外国人市場の現状について井上さんは、県内の宿泊者数に占める外国人の比率が、平成22年の3%から28年は4倍の12%に増えていることを示し、さらに欧米豪の比率が全国平均よりも高い水準にあることを紹介。県を訪れる欧米豪旅行者の特徴として、世帯年収が比較的高い層で、歴史的遺産を訪ねることを目的に、個人旅行の形態をとる傾向にあることなどを示した。

「和歌山の可能性」については、県の強みとして、世界遺産はもちろん、海に囲まれた自然環境や空気のきれいさ、新鮮な海や山の幸、大阪や関西空港からのアクセスの良さなどを挙げた。

補強すべき点では、周辺地域からのアクセスや地域内の移動方法などを指摘し、改善されれば欧米豪旅行者の県内訪問地が拡大され、宿泊、滞在時間の長期化が図られると強調。宿泊日数や飲食回数の増加が、飲食、サービス業の収益アップにつながることを話した。

訪日外国人への接客などのポイントでは、マニュアル対応よりも柔軟性が大切だとし、和食店では箸とフォークのどちらが良いか尋ねるなどの対応を示した。また、外国人を特別扱いするよりも、人の根本的なニーズを満たすように、相手に関心を示すこと、親切に接することなどを呼び掛け、「最も大切なことは、語学力よりも歓迎する姿勢です」と力を込めた。

セミナーではこの他、県観光交流課による、県のインバウンド誘致の取り組みや現状などに関する情報提供もあり、参加者は熱心に学んでいた。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。