多田さんに都知事賞 日本の自然を描く展

東京都知事賞に選ばれた「春」

上野の森美術館(東京都)などが主催する全国公募展「第30回日本の自然を描く展」で、和歌山県紀の川市粉河の多田秀廣さん(76)の油彩画「春」が、東京都知事賞に選ばれた。日本画や水彩画、版画など4334点の応募があり、入選作2664点が選ばれた。同賞は最高賞の上野の森美術館賞に次ぐ賞で、多田さんは「『まさか』とびっくりしました。もっと上手に描かなあかんなぁと身が引き締まる思いです」と喜びを語っている。

同展は、絵を描くことが好きな人たちが気軽に参加できることを目的にした公募展。F10号(45・5㌢×53㌢)までの小品を対象に、身近な風景などを募る。

多田さんは定年退職後に絵を習い始めて、10年ほど。水彩から始め、現在は和歌山市の洋画家・土井久幸さんの絵画教室に通う。同展には昨年初出品し、優秀賞に輝いている。

多田さんの今回の受賞作は、昨年の春に九州を旅した際、電車内で目にした光景を絵にしたもの。春の陽気が漂う中、「皆さん、あまりに気持ち良さそうだったので」、うとうとしながら電車に揺られるサラリーマンや年配の女性ら3人を描いた。

仕事をしていた頃は転勤で東京や大阪を転々とするなど、多忙だったという多田さん。「お疲れの様子に、少し同情するような部分もあったのかもしれませんね」とほほ笑む。

車内に差し込む柔らかな光を表現し、車窓の風景には、地元紀の川市の桃源郷や龍門山を描き込んだ。作品は今回の展覧会ポスターにも採用されている。

毎日のように絵を描き、最近はガラス張りの建物やショーウインドーの映り込みなど少し面白い題材を探すようになったといい「絵を描くのは楽しく、これからも今までと変わらずに描いていきたい。気付かず見逃してしまうような風景を絵に表現できればいいですね」と話している。

多田さんの受賞作を含む西日本展は、10月1日まで原田の森ギャラリー本館(兵庫県神戸市灘区)で開かれている。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。

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