二次災害の危険指摘 紀美野の土石流調査

土石流で大きく崩れた梅本地区の斜面(県提供)

台風21号により和歌山県紀美野町梅本地区で10月23日に発生した土砂災害について、国土交通省は30日、県の要請に応えて土砂災害の専門家を派遣し、現地調査の上、今後予想される二次災害への備えなどについて技術的助言を行った。

土砂災害が発生したのは生石高原に近い山間部の斜面。発生前日の22日、1時間当たりの最大雨量は約30㍉、15日~22日の総雨量は約550㍉に達していた。

調査により、現場には幅約200㍍、長さ約350㍍にわたって亀裂が確認され、二次災害の発生が懸念されており、同地区では現在も14世帯30人が公民館などで避難生活を送っている。

現地調査を行った国土技術政策総合研究所砂防研究室の木下篤彦主任研究官は、調査結果を町役場で説明。梅本川上流を視察した結果、大小両方の石の堆積が見られ、斜面上部の崩壊が土石流に発展したと考えられると報告し、倒木が多く見られることも山が崩壊したことの証しだと述べ、「比重の軽い倒木は下流へ流され、住宅に被害を及ぼす危険性が高い」と注意を呼び掛けた。

民家に近い下流の調査でも土砂の堆積量が多く、過去の土石流堆積物を巻き込み、土石流の規模が大きくなったと考えられると解説した。

さらに、土石流は川の流れには沿わず直進するため、ガードレールなども乗り越えて被害を拡大させることや、斜面の勾配が変化する点で堆積するなどの特徴を話した。

今後の対策については、応急的なものとして、盛り土を固めて土石流をせき止める「土留め工」の実施や、金属のひもを川の両岸からかけ、土石流で切れるとサイレンが鳴って住民に避難の必要性を知らせることができるワイヤーセンサーの設置を提案。恒久的な対策では、砂防堰堤の設置が必要と話した。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。