農業ビジネスで成果 紀の川市の若手集団

ハッサクの出来栄えを確かめる田村社長

和歌山県紀の川市荒見で農業を手掛けるグリーンジャンクション㈱(田村享也社長)は、20~50代の男性6人が無農薬で栽培した野菜や果物を近隣をはじめ全国で販売している。農作物を利用した地域活性化事業にも積極的に取り組み、農業従事者の高齢化が進む中、若年層が農業ビジネスで成果を上げていることが注目を浴びている。
同社は約2万坪の畑でタマネギやジャガイモ、ホウレンソウなど10種類以上の野菜と、柿や桃、レモン、ミカンなど約10種類の果物を無農薬や低農薬で栽培している。果実が黒色で種なしの地元名産「紀の川柿」は、メンバーで考案した「黒星」という商品名を付け、高級柿として販売している。
豊富な種類の農作物は近隣地区の「軽トラ市」などで販売する他、全国各地にも収穫時期に合わせて「大・小」の詰め合わせセットでの販売をしており、安全性や適正な価格、味の良さなどで人気を呼んでいる。
田村社長(28)によると、無農薬野菜はこだわりを持って作っているというイメージがあり高価な物もあるが、本来は農薬を使用していないので、コストをかけずに栽培できるという。除草剤を使用しないことで畑に生い茂る雑草は農業従事者の負担となるが、メンバーらが手作業で時間をかけて除去している。
田村社長は18歳から祖父・勤さん(77)の約300坪の畑でタマネギ作りを始めた。早朝から畑へ出て雑草を引き、作物に触れ葉や根を優しく動かすことで生育を促し、おいしく育ててきた。
借地を含め畑の規模が大幅に拡大した現在は、草引きの手が回らず、近隣住民から「管理が悪い」と苦情が出たこともあるが、無農薬栽培をしていることを説明し「管理している畑を順番に手入れしているので待ってください」と話してきた。
こうした対応に、当初は草引きを「すぐにやってほしい」と言っていた住民も理解を示すようになり、草引きを終えた際には「ありがとう」と言葉をかけてくれる。
苦情は畑の所有者ではない人から出たものであり、丁寧な対応で感謝を得られるまでになった経緯を振り返り、田村社長は、土地には人と人との関係性を広げる力があることを感じているという。
製造業を手掛ける友人が、発展途上国で工場を建設する際、現地の農業技術が未発達であることに気付き、効率よく味の良い野菜の作り方の指導を依頼してきたこともある。  田村社長は「さまざまな人や業種と接点が生まれるのは誰もが野菜や果物を食べるから。将来は、発展途上国で日本の農業をビジネスとして指導したい」と意欲を燃やしている。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。

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