金色の鬼面が完成間近 和歌祭の雑賀踊

久保さん㊥が見守る中、仕上げの色を入れる

紀州東照宮の例祭、和歌祭の演目の一つ「雑賀踊」は、踊り手自らが鬼面を制作するのが慣例。これまで使っていた面の破損や剥離が激しく、約10年前から和歌山県和歌山市の能面師・久保博山さん(77)に指導を受けており、そんな取り組みがいよいよ大詰めを迎えている。演技する忠棒(ただぼう)と請棒(うけぼう)の先頭を飾り、メンバーが「ボス面」と呼ぶ金色の鬼面が完成間近となった。鬼面は来年の和歌祭で披露される。
演者の忠棒と請棒は現在8人ずつ。これまでには古い面も混在していたが、来年は演者全員分の手作り鬼面がそろうという。

面打ちに取り組むのは金井修治さん(49)、寺本雅哉さん(54)、川西孝秀さん(38)。月に1度、吹屋町の久保さん宅の教室で制作を進めてきた。久保さんは「皆さんこれほどはまるとは思いませんでした。最初の頃と比べると格段に上達し、手慣れたものです」と太鼓判を押す。

面打ちは手間と集中力、体力が必要な作業。中でも金色の面は教室の休みを挟みながら「制作に4年ほどかかったかもしれません」とメンバー。
年間を通じて祭りに携わることになり、和歌祭保存会青年部のメンバーでもある金井さんは「自分たちで作ることで愛着も湧き、祭りへの思い入れも一層強くなります」とにっこり。

金色の鬼面を担当する寺本さんは「一彫り一彫り、無心になれます。できる限り、昔使っていた鬼面に近づけるように」と色を入れる筆にも力が入る。
年が明ければ5月の和歌祭に向け、踊りの練習が始まる。メンバーは「次の世代へ祭りを引き継いでいきたい。興味を持った若い方にもぜひ参加してもらいたい」と話している。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。