天王塚古墳54年ぶり公開 3月に現地説明会

丈夫な造りの石室内部

和歌山県和歌山市岩橋の県立紀伊風土記の丘内で、特別史跡「岩橋千塚古墳群」に追加指定された天王塚古墳の発掘調査が行われている。同遺跡の調査は54年ぶりで、3月3、4日には現地説明会が行われる。
天王塚古墳は他の古墳群からは少し離れた場所にある。県内最大規模となる全長88㍍の前方後円墳で、同古墳群の首長墓にあたる。調査は1964年、関西大学によって行われたが、調査後に石室は埋められていた。今回は整備、公開に向け石室の状況と資料収集のため、54年ぶりに調査が行われた。
古墳の後部にある横穴式石室は高さ5・9㍍と全国2位の高さ。山から3㍍ほど掘り下げて造られ、両端と中央には同古墳群の特徴である排水溝の跡がある。壁は結晶片岩の板石をレンガ壁のように並べており、天井には8本の石梁(いしはり)と2枚の石棚(いしだな)が設置され、ドーム型の石室を支えている丈夫な構造。
前回の調査以降、石室の状態が長い間不明になっていた。今回の調査で天井の隙間や壁の亀裂が見つかったが、石壁が厚いことから問題はないとみられる。今後はレーザー測量で経年劣化を調べる。
調査では新たに出土遺物も確認。人物や動物をかたどった小像で飾られた装飾付須恵器や、中が空洞の銀製の空玉(うつろだま)、メノウを磨いた美しい切子玉などが出土した。当時の権力者の墓とみられているが、独立して古墳がある特異性などから、どのような人物の墓なのかさらに調査が進められる。
同所の瀨谷今日子学芸員は「写真や図面で石室を見てきたが、実際に見るとやはり圧倒的。現地で見ないと分からないこともあるので、現地説明会で大きさを実感してもらえたら」と話している。
現地説明会は両日とも午前と午後の2回開催。定員各日250人程度(応募多数の場合は抽選)。申し込みは往復はがきで参加者全員の名前、ふりがな、年齢、希望日程(第2希望まで)、代表者の名前、ふりがな、住所、電話番号、来園方法を明記して同所(〒640―8301和歌山市岩橋1411)まで。2日から15日までの消印有効。1枚で4人まで応募できる。
問い合わせも同所(℡073・471・6123)。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。

この記事が気に入ったら「いいね!」してね