訪問医療のドキュメンタリー映画 23日~上映

小笠原さんが往診する映画の一場面(ディンギーズ提供)

訪問医療に情熱を注ぐ高知県四万十市の医師、小笠原望さん(66)の日々を追ったドキュメンタリー映画『四万十~いのちの仕舞(しま)い』が23日から29日まで、和歌山市中のイオンシネマ和歌山で上映される。初日には『ガンが病気じゃなくなったとき』の著者で、自身も夫を自宅でみとった海南市の岩崎順子さん、24日は岩崎さんと坂口内科(紀の川市貴志川町)の坂口健太郎院長のトークショーが開かれる。25、27、28日(誤情報のため修正します)には溝渕雅幸監督(56)が舞台あいさつする。
同作は、診療所を営む内科医の小笠原さんと、四万十川流域で暮らす人々との交流を見つめながら「本当の豊かさ」や「本当の幸せ」を問い掛ける。
溝渕監督は元大阪日日新聞の記者。前作『いのちがいちばん輝く日』(2013年)でも、終末期のホスピスに密着した。

四万十には「いい仕舞い」という言葉があるという。それは、ある程度の年齢まで生き、直前まで食事ができ、人と話せて、苦しまずに家族の中で最期を迎えられること。「人の命も自然の中のもの」と考える小笠原さんは、それぞれの「いい仕舞い」に寄り添うべく、約20年前から診療所を営む傍ら、患者の自宅や介護施設へ往診に出向く。

血圧を測っては「上等」。話し掛けに反応が見られるようになっては「よかった、よかった」「うまいこといきよる」。どんな患者に対しても、優しくやわらかな語り口の小笠原さんの姿に、溝渕監督は「医療行為をしているようではない。終末期の医療でも、いいところを見つけて伝える。患者さんの家族を含めて、病気ではなく人間をみるという感じ」と話す。
死やみとりという重いテーマを扱いながら、そこに壮絶さはない。自然のままに命を全うする患者と、それに寄り添う小笠原さんのありのままの日常が、四万十川の美しい自然を背景に、ゆっくりと記録されている。
溝渕監督は「『いい仕舞い』とは、故人の命が受け継がれていくこと。生まれたら死ぬ、それを覚悟し受け入れることで、穏やかな死は迎えられる。死を知り、与えられた命を丁寧に生きることにもつながれば」と話している。

108分。製作・配給はディンギーズ。トークショーと舞台あいさつはいずれも午前10時からの上映後。
上映時間など詳しくはイオンシネマ和歌山(℡073・456・5055)。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。

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