地域課題の研究拠点 東大加太分室オープン

漁網でテープカットする川添准教授(右から3人目)ら

和歌山県和歌山市加太地区で住民らと連携して地域資源の研究などに取り組む東京大学の拠点「東京大学生産技術研究所 川添研究室 加太分室 地域ラボ」が地区内に完成し、6月30日にオープニングセレモニーが行われた。古民家を改修した分室には工学博士の青木佳子特任助教(29)が着任し、地区に住みながら地域課題の解決に向けた研究を進める。

同研究室(主宰=川添善行准教授)は4年前から加太で調査研究を続けてきた。市と同研究所はことし3月、加太の活性化と地域資源研究のために協力する協定を結び、市は4月にプロジェクトチームを発足。加太で活動する団体や川添准教授、青木特任助教と共に連携会議を開いてきた。

加太分室は網元と呼ばれる漁業経営者の蔵を改修して6月に完成。建築家の川添准教授が設計し、エアコンの風を床に通して温度を調整する効果や、壁に木毛セメントなどのパネルを用いて耐震性を上げるなど実験的な工法を取り入れている。地元の人や観光客など人が集まる拠点とし、地区の発信の場にもなる。

セレモニーでは、川添准教授が看板の幕を外し「これからが本当の研究になるので、加太の皆さんにはまた協力してもらえるとうれしい」とあいさつ。網元の蔵にちなみ、尾花正啓市長と生産技術研究所の岸利治所長、尾家賢司加太地区連合自治会長、川添准教授らがテープの代わりにリボン付きの漁網をカットしてオープンを祝った。

尾花市長は「加太は自然と食が豊かで可能性のある町。分室が全国発信できるモデルになれば」と期待を寄せ、尾家会長も「地元の力を発揮して頑張りたい」と話した。青木特任助教は「広い世代の話を聞いて研究と実践を行い、積極的に関わる意義を見いだしていきたい」と思いを話した。

式典の後、加太小学校体育館で記念シンポジウムが開かれ、「地域のブランディング」をテーマにしたパネルディスカッションが行われた。アートディレクターでGRAPH㈱代表の北川一成さん、、㈱テーブルビートの佐藤としひろ代表取締役、丸ビル内「丸の内ハウス」統括マネージャーの玉田泉さんが登壇し、加太名産のタイの生かし方や住民が意見を統一して進めていくことの必要性などについてそれぞれの立場から意見を述べた。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。

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