県内停電32万軒超える 台風21号各地に爪痕

根本から倒れた「けやき大通り」の大木(和歌山市北ノ新地、4日午後4時53分)

非常に強い台風21号が近畿地方を通過した4日、県内各地でも激しい雨と風に見舞われ、被害が相次いだ。県や関西電力によると県内全域約32万7000軒で一時停電が発生。和歌山市の男野芝丁で最大瞬間風速57・4㍍(4日午後1時19分)を記録した。交通網にも大幅な乱れが生じ、各地で倒木や住宅被害が出るなど、爪痕を残した。

5日午前8時現在の最大時間雨量は、有田川町吉備で81㍉を観測。累積雨量は日高川町小川で412㍉を記録した。新宮市では4日午前11時40分に土砂災害警戒情報が出され、午後3時15分に解除。文化財や市町村道の被害が49件あった。

5日午後2時現在、人的被害は、和歌山市西浜の50代男性が飛んできた看板により両足を骨折、有田市の50代女性が風にあおられて転倒して右ひざを骨折など、重傷者は4人。田辺市や紀の川市でも転倒などにより、19人が軽傷を負った。住家被害は広川町で瓦屋根が飛散する大規模半壊が1棟、一部破損が19棟、床下浸水が1棟。県道の道路状況は全面通行止めが55件となっている。

停電状況は同日午前10時現在、約7万9000軒で未復旧の状態。電柱の折損被害数は8時現在で44本となっている。

公共交通機関も倒木や電柱の傾きなどが影響し、大きく乱れた。JR西日本では4日、きのくに線新宮―和歌山駅間、和歌山線五条―和歌山駅間、紀勢本線和歌山―和歌山市駅間で終日運転を見合わせた。

5日はきのくに線特急列車の運転を取りやめた。普通列車の新宮―串本駅間は上下線で始発から運転を再開。串本―白浜駅間も午前8時5分発の下り列車から運転を再開したが、白浜―和歌山駅間は終日運休した。紀勢本線は和歌山―和歌山市駅間で午後1時41分発上り列車から運転を再開。和歌山線は運転を取りやめた。

南海電鉄は4日正午ごろから全線で運転を見合わせた。5日は午前7時ごろから高野線高野下―難波駅間で運転を再開し、正午ごろから南海本線普通列車、加太線、和歌山港線は運転を再開した。
和歌山電鐵は4日正午前から運転を取りやめ、5日午後1時以降の一部列車から順次運転を再開した。

和歌山港と徳島港を結ぶ南海フェリーは4日、終日を欠航。5日は上下各5便を欠航し、午後1時40分から運行を再開した。

本紙エリアのその他の主な被害、避難状況は次の通り。

【和歌山市】4日午前7時、有功地区に避難勧告を発令。小学校やコミュニティセンターなど74カ所に最大264世帯398人が自主避難した。同日午前9時40分に和歌浦地区の一部427世帯、867人に避難準備・高齢者等避難開始を発令。道路では河西橋や市道加太47号線などが通行止めとなった。花王㈱和歌山工場から防災資機材のオイルフェンス500㍍が海上へ流出。雑賀崎工業団地の工場で高潮・高波による浸水被害が発生した。

【海南市】4日午前6時半に避難準備・高齢者等避難開始を発令。海南、下津の両保健福祉センターなど計16カ所に避難所を開設し、210人が避難した。避難所は午後9時50分に閉鎖された。市道岡田20号線が冠水の影響で一時通行止めとなった他、住宅の瓦が飛んだり、看板が壊れたりした。

【紀の川市】4日午前6時半に避難準備・高齢者等避難開始を発令。市内各地の小・中学校や保健福祉センターなど計33カ所に避難所を開設し、最大95世帯170人が避難した。5日午前8時半ごろに最後まで避難していた避難者が帰宅した。市内各地で住宅の瓦が飛んだり、倒木が道をふさぐなどの被害が出た。

【岩出市】4日午前7時に避難準備・高齢者等避難開始を発令。市民総合体育館や市総合保健福祉センターなど避難所9カ所を開設し、最大185人が避難した。避難所は5日午前7時50分に全て閉鎖された。

【紀美野町】4日午前7時に避難準備・高齢者等避難開始を発令。町内の集会所や小学校の体育館など計48カ所に避難所を開設し、60世帯77人が避難した。避難所は5日午前7時半に閉鎖された。町内各地で倒木などによる通行止めが発生した。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。