高潮浸水の片付け続く 台風21号被害が判明

水につかった事務所内の事務用品(和歌山市雑賀崎)

4日に和歌山県内を暴風域に巻き込んだ台風21号の被害がさらに明らかになっている。県内全域で発生した停電は6日午前9時現在も約4万2000軒で続いている。負傷者は重傷4人、軽傷19人。農林水産被害は5日時点の県のまとめで21億7788万円に上っている。

公共交通機関はJR西日本が6日、きのくに線特急列車の上下線が始発から、白浜―和歌山駅間も始発から運転を再開。和歌山線は正午現在、電力が復旧せず、上下線で運転再開のめどは立っていない。海南駅では4日夕方、軒下から駅前の歩道に天井パネルが落下しているのが見つかった。大きさは縦横各約90㌢、厚さ約5㍉、重さは約8㌔で、けが人はなかった。

京奈和自動車道和歌山ジャンクション(JCT)―岩出根来インターチェンジ(IC)間の通行規制は、5日午後6時50分に解除。利用者が滞留している状態だった関西国際空港は、移動希望者約7800人を輸送し、5日午後11時に完了した。

農林水産業被害は、農作物などが20億6885万円、畜産関係が480万円、水産関係が3373万円、林業関係が7050万円。紀の川市のミカンやかつらぎ町の柿などの被害が大きい。

海に面した和歌山市雑賀崎の「雑賀崎工業団地」では、台風による高潮で約10社が浸水した。西側の防波堤沿いでは、フェンスや樹木がなぎ倒された光景が広がっている。波がひいた後も道路は泥に覆われ、乗用車やトラックが通るたびに土ぼこりが舞い上がっていた。

橋梁や水門の設計・製作などを手掛ける㈱豊工業所では4日午後1時ごろから浸水。石の混じった水が窓や壁を突き破り、2階建て社屋の1階事務所部分が1㍍ほどつかった。当時、社内には11人の従業員がいたが、2階に逃げて無事だった。

6日も朝から事務所内の物を外に移動する作業に追われ、久保晋典社長は「あっという間に水位が上がり、大事な物を持ち出す間もなかった。業務は数日中に再開予定だが、元通りになるまで3~4カ月はかかりそう」と話していた。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。