和歌山県広川町の新拠点・ホテル「いさり」とレストラン「潮香（しおか）」が誕生

2024年9月に
新たな広川町のランドマークが誕生

和歌山県中部に位置する広川町。日本遺産構成文化財・旧戸田家住宅を改修して作られたホテル『いさり』とフレンチレストラン『潮香（しおか）』が2024年9月にオープン。同町の新たなまちづくりの拠点として期待されています。

「広川町・有田地方の良さを多くの人に知ってもらいたい」と、町と複数の民間企業が協定を結び、まちづくりプロジェクトの第1弾として同施設が開設されました。

江戸時代から受け継がれてきた戸田家の旧邸宅。レンガ敷の床や梁など雰囲気は当時の趣きを残しつつ、快適に過ごせるようにリノベーションされています。

海が近い広川町では古くから漁が盛んで、この地域の暮らしを支えていました。「網屋」として、漁に欠かすことのできない網を作っていた戸田家。建物のいたるところに、製網業を営んだ戸田家の名残があります。当時は写真右の機械を使って網を作っていたとか。

網元の邸宅を客室にした
古民家ホテル『いさり』

戸田家の邸宅を客室としてリノベーションされた古民家ホテル『いさり』（2024年9月7日オープン）。客室に置かれたハンモックや網を取り入れた備品、建物の設えなどから、広川町の歴史に思いを馳せてしまいます。

客室ごとに特色がありますが、中でも103号室に備え付けられた家族全員で寝転がれる巨大なハンモックは、小さいお子さんはとても楽しいのではないでしょうか。もちろん大人が寝っ転がっても大丈夫です（笑）。まるで雲の上で寝ているかのようでとても心地よかったです。

こちらは格式の高さを感じさせる101号室。日頃の喧騒を忘れてゆったりとした時間を過ごせます。

特筆すべきは部屋からの眺めの美しさ。同室の浴槽は五右衛門風呂で、お風呂から庭の景色を堪能する贅沢を味わえます。

滞在日や部屋によって宿泊料金は変動します。詳細は公式サイトをご確認ください。

紀州の山海の豊富な食材を使用
フレンチレストラン『潮香』

旅の楽しみのひとつでもある食事は、網を作る工場として使われていた建屋を改修して作られたフレンチレストラン『潮香』（2024年9月2日オープン）で。四季折々の海産物や農作物など、地元の食材をふんだんに使用した“和歌山ならでは”のフレンチのコース料理がいただけます。

同レストランのシェフを務めるのは、フランスのミシュラン一つ星で料理人としての経験を積んだ新進気鋭のシェフ・金丸涼さん。「フランス料理は敷居が高いと思われがちですが、気軽に食べてもらえるきっかけになれたら」と話してくれました。

マイクロキューリとイカスミソースを添えた「アカイカのソテー」。アカイカは広川町で水揚げされた新鮮なものを使用しています。今後イカは季節ごとに旬の種類を使用する予定だそうです。

シイタケ焼おにぎりと山椒のソースを添えた「熊野牛のステーキ」。肉の部位は比較的脂の少ないランプを使用しており、山椒のピリッとした爽やかな辛さと合わさり、さっぱりといただけます。

ディナーのコース料理は、デザートを含め全9皿。

『潮香』の料理は食材はもちろん、テーブルを彩るプレートや器も有田にゆかりのあるものを使用しているそう。金丸さんは生産者から直接仕入れをしており、その縁から別の縁に繋がることも。「福井県の出身で元々和歌山にゆかりはなかったけれど、和歌山の人たちは優しくて。この縁を大切にしたいです」と金丸さん。

同レストランは完全予約制。ランチは1ヶ月前から、ディナーは2週間前から予約受付を開始しています。平日限定ランチコース3800円、ランチコース5500円、ディナー13000円。

県外の人だけでなく
地域の人も集まれるような場所に

今後はホテルやレストランだけではなく、地域の交流スペースや自然豊かな広川町ならではのアクティビティも展開予定。同施設支配人・宇田遥さんは「県外の方はもちろん、この地域の方にも気軽に立ち寄ってもらえるような場所になればいいなと思っています」と話してくれました。

ホタルや桜、みかん畑や海など、風光明媚な広川町の魅力がたっぷりなホテル『いさり』とレストラン『潮香』。広川町の新たなランドマークに今後も注目です。