2020年09月12日 19:30
和歌山県に関連のある作家や詩人、歌人を、ゆかりの地を巡りながら紹介します。今回は、画家であり、幕末から明治にかけて長期にわたり日記を書き続けた、川合小梅について。和歌山市の当時の人々の生活を知ることのできる日記は、貴重な資料として知られており、根強いファンがたくさんいます。
1804年(文化元年)~1889年(明治22年)
和歌山市 生まれ
幕末・明治の社会変革を日記に綴った女性父は紀州藩校「学習館」の助教を勤める学者であったが、小梅が5歳の時に、この世を去る。そのため、祖父から漢学を、国学者本居大平の弟子で歌人であった母から和歌を学び、野呂介石の門人野際白雪に絵画を学んで育つ。
江戸時代から明治時代にわたり、日記に社会の動きと自分史を書き綴り、明治 22年に亡くなる。墓は和歌山市吹上の妙宣寺にある。16歳~86歳までの 70年間に及ぶ小梅の日記は、私たちが当時の生活様式を知るための貴重な資料となっている。
明治22年11月2日、川合小梅が死去。幕末紀州藩の儒者・川合豹蔵の妻で、嘉永2年から明治18年までの日記が、志賀裕春・村田静子校訂『小梅日記』全3巻(平凡社東洋文庫)として刊行された。日記は主に和歌山での日常生活を記したものだが、坂本龍馬の暗殺の話題など、伝え聞いた情報も書いている。
— 太田鳴雪 (@zasetsushirazu) November 2, 2018
学習館(がくしゅうかん)は、江戸時代後期に紀伊国紀州藩に設けられた藩校。現存はしておらず、株式会社世界一統和歌山本社の敷地内に碑が建てられている。
駿河屋のエピソードが出てくるのは、1859年8月23日の箇所。「朝するがやに饅頭、数二百取りにやる」と記載されています。この縁から、平成20年には讃岐産の和三盆のみを使用した最高級の落雁『小梅日記』が発売されました。
落雁「小梅日記」
二月六日 嘉永四年 辛亥日記
晴れ
大いに快晴。風呂を焚く。
昼過ぎに日方あさり少々をみやげに了吉がくる。昼飯を出す。
九右衛門殿がくる
桑の枝を一尺五寸欲しいとのこと。
田宮にこれがあるというので貰う約束をした。
酒を出した。
四時過ぎから主人は初めて海野へ行く。
これはかねてから浅之助から頼まれていた。
安兵衞が小袖と岩一郎の着物の紋のことで来て直ぐに帰った。
夜になって母君は鷺の森へ参詣。
岩一郎は市川へ貝少々を持参。有馬へも少し送る。
夜遅くに雷鳴。風も強かったが雨は少しだった。
本願寺鷺森別院(ほんがんじさぎのもりべついん)は、和歌山県和歌山市鷺ノ森にある浄土真宗本願寺派の寺院。雜賀御坊(さいかごぼう)、鷺森本願寺とも。京都市にある西本願寺の別院である。
本願寺鷺森別院 (雑賀御坊)
和歌山市信長の石山戦争終結後、石山本願寺を退去した顕如が、一時浄土真宗の本拠地としました。
現在は都市部の近代的な寺院といういでたちで、当時の面影はありません。 pic.twitter.com/Dl4EpnpCQu
— kaisan36 (@kaisan36) May 16, 2018
また、小梅さんの氏神様であった「朝椋神社(あさくらじんじゃ)」は、延喜式に記録のある古社で、かつてはクスノキの巨木があったらしい。明治九年(1876)七月一日の日記では、「今日から、表橋の水野殿の娘さんに、毎日習字や絵などを教えに行くことになった。朝椋神社に参ってからお宅まで出かける」とある。この一文から、氏神様にお参りすることが、今のようにスピリチュアルなどと意識せず、「日常そのもの」であった当時の空気が感じられる。 出典:金の枝 なかひらまい
★★★「和歌山県和歌山市」参拝の参考
⛩朝椋神社 pic.twitter.com/0e8zyvdOUk— 狭野の人 (@patmjgdw7294385) July 5, 2020
大昔から紀州にある東の宮神社。
先の戦火からも免れ、十日恵比寿で賑わう神社です。
なぜか、法輪寺というお寺も同居していて十七番の札所でもあります。
ここに小梅さんの筆塚があるということで行ってきました。建立したのは小梅さんの曾孫にあたる方。
この神社へは小梅さんも数え切れないほどお詣りに来たに違いありません。
今後は日記の中で参詣の跡に気を付けてみましょう。
小梅さんの家からこの神社までは同じ市内だけどかなりの距離があります。
でも、昔の人は健脚だったから何ほどのこともなかったのかもしれませんね。
小梅は明治22年[1889]11月2日86歳の生涯を終え、妙宣寺に葬られております。
他にも、小梅さんゆかりの地は多数。日記をもとに巡ってみては。
【geek】
和歌山県出身在住でありながら、知らないこともまだまだあるので、新たな発見をたくさ
んの人と共有したいです。
【関連記事はこちら】
↓↓↓
【NEWS】和歌山ニュースはこちら
↓↓↓
【ロカルわかやまLINE公式アカウント】
LINEで和歌山の情報をお届け♪
友達追加はこちら!
↓↓↓