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和歌山ニュース 県内平均は30年連続下落 22年路線価発表

県内平均は30年連続下落 22年路線価発表

公開日 2022.07.04

相続税や贈与税の課税額を算定する基準となる土地の評価額を示す、2022年分の路線価(1月1日時点)が1日、全国の国税局、税務署で公表された。標準宅地の対前年変動率は、近畿2府4県で和歌山県のみ下落率が拡大し、1・3%(前年1・2%)で30年連続の下落。県内7税務署の最高路線価は、和歌山など4署で横ばい、海南、粉河など3署で前年より下落した。

県内の最高路線価は、26年連続で和歌山税務所管内の和歌山市友田町5丁目(JR和歌山駅前)となり、1平方㍍当たりの価格は9年連続横ばいの36万円。コロナ禍の影響で商業地としての収益性は低下した一方、駅周辺での大規模分譲マンションや複合ビルの建設などによって繁華性が向上する期待感もあり、横ばいとなったとみられている。

和歌山の他、御坊、田辺、湯浅各署の最高路線価は横ばい、海南、新宮、粉河の3署は下落し、下落率は新宮署の1・5%が最大だった。

海南署管内では最高路線価の路線に変更があり、JR海南駅前の商店街に位置する「海南市名高(中央通り)」から、同駅前ロータリー出口に面する「海南市名高(国道370号)」となった。

いずれも郊外や幹線道路沿いの商業施設への集客の拡散、津波浸水への警戒などで収益性が低下している路線だが、駅前でのホテル整備への期待感などから、「中央通り」よりも下落幅が小さかった「国道370号」の最高路線価が上回ることになったと考えられる。

粉河署管内の「岩出市中迫(国道24号)」は1・3%の下落。周辺の宅地分譲や人口増により出店の需要は底堅さがあるが、20年9月に大型商業施設が閉店し、集客が分散したことなどにより、価格は弱含みとなったとみられている。

路線価は国税庁ホームページ(https://www.rosenka.nta.go.jp)に掲載しており、全国の国税局、税務署でパソコンから閲覧もできる。

県内7税務署の最高路線価と変動率は次の通り。

和歌山=和歌山市友田町5丁目(JR和歌山駅前)、36万円、横ばい▽海南=海南市名高(国道370号)、7万5000円、1・3%減▽粉河=岩出市中迫(国道24号)、7万7000円、1・3%減▽御坊=御坊市湯川町財部(国道42号)、5万3000円、横ばい▽田辺=田辺市新万(市道中万呂礫坂線)、9万4000円、横ばい▽新宮=新宮市新宮(市道丹鶴町中央通線)、6万4000円、1・5%減▽湯浅=有田川町明王寺(国道42号)、4万9000円、横ばい