びん付油職人 和田さん「現代の名工」に

びん付油を練る和田さん

卓越した技能を持ち、各業界の第一人者の技能者をたたえる平成28年度厚生労働大臣表彰「卓越した技能者(現代の名工)」に、医薬部外品や化粧品の製造販売などを手掛ける㈱シマムラ(和歌山市宇須)のびん付油職人、和田浩一さん(69)=岩出市=が選ばれた。県内で43人目。表彰式は21日、東京都の明治記念館で行われた。
同社は天保13年(1842)、髪油を製造販売する油商として和歌山市で創業。和田さんは、原料のハゼの実の油脂分から精製した木蝋(もくろう)と菜種油を、熱しながら混ぜた後に冷ます伝統の製法で、びん付油を製造している。
自然の物で品質が不安定であり、その日の気温などにも左右される木蝋に合わせて、配合や冷ますタイミングを調整するなど職人の腕を発揮し、高品質な商品を作り続けており、成形には明治時代から受け継がれている木枠を使うなど伝統を守っている。
商品は、主に関西で、歌舞伎役者の化粧の下地塗りなどにも使われているため、固形物が入ることが許されない繊細な仕事という。
22年間製造を担当している和田さんは表彰について「170年の会社の歴史の中に参加させてもらってうれしいです」と喜ぶ。同社の島村辰彦社長(64)は「近年、需要も低くなっているが、和田さんが技術を受け継ぎ、事業を続けてきて良かった。今後、後継者の指導や育成も考えていきたい」と話している。

記事元:わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。

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