花王緑地が最高認定 水軒堤防保全など評価

松林内のウオーキングコースで認定証を手にする岡課長

和歌山市湊の花王㈱和歌山工場(松下芳工場長)が地域貢献として取り組んでいる緑化、環境保全の活動が高い評価を受けている。公益財団法人都市緑化機構による「社会・環境貢献緑地評価システム」(SEGES=シージェス)では、平成17年に関西で唯一の「そだてる緑」の認定を受けており、ことし3月には評価ステージが5段階で最高位の「スパラティブステージ」に昇格した。

同工場は、敷地面積約49万2000平方㍍のうち緑地が約11万5700平方㍍に達し、緑地率は23・5%。工場の西側一帯には、江戸時代初期に紀州藩主・徳川頼宣の命を受けて建造された「水軒堤防」に防潮林として植えられたクロマツ林が現存し、地域の文化財として保全活動を続けている。

寒風や夏季の暑さを軽減するなどの緑地機能を保全する面からも、同社地区サービスセンター環境グループが主管し、クロマツへの日照を妨げる雑木の手入れや、苗木の補植などの整備活動を、社員が行っている。

平成26年には松林内にウオーキングコースを設定。同サービスセンターの岡広史課長(55)は「適度な起伏のある1周300㍍のコースは、社員の気分転換や健康増進に大いに役立ち、近隣の小学生の見学も受け入れています」と話す。

同工場は、県指定史跡である「水軒堤防」の成り立ちや保全活動の様子を子どもたちに知ってもらおうと、小学生向けの冊子『水軒堤防ものがたり』を作成し、和歌山市に4000部を寄贈しており、今月中にも市内全小学校の4年生に配布される予定。

シージェスは、企業などが保全し、社会、環境に対して貢献度の高い優れた緑を認定する制度。緑は良好な景観の提供や生物多様性の実現、防災など多様な機能を提供するものとして、利用の永続性、緑地管理、緑地機能の発揮の三つの観点などから評価し、企業緑地の「価値の見える化」を進めている。

花王和歌山工場は、設立から73年にわたり社員が環境緑地に関心を持って維持管理を心掛けていること、県・市ともよく連携して管理していること、平成23年からは「生物多様性モデル工場」として活動していることなどが評価され、全ての観点で満点が与えられた。

他府県では、愛知県の出光興産㈱愛知製油所やトヨタ自動車㈱トヨタの森、アサヒビール㈱神奈川工場などが最高ステージの評価を受けている。

花王和歌山工場はまた、県の森林保全事業「企業の森」にも平成19年から参画し、紀美野町内で10年間にわたって活動を継続。ことしから既存地に加え、同町内で2カ所目の活動にも取り組む。

岡課長は「『水軒堤防ものがたり』の作成が、次世代を担う人たちへの素晴らしい贈り物だと、特に高い評価をしていただいたようだ」と話し、今後も地域と連携し、地域貢献につながる緑地保全を続けることに意欲を示している。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。

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