社会全体で子育て応援を 企業同盟が発足

子育て支援に向け気勢を上げる企業同盟の関係者ら

社会の子育て支援について考える「わかやま子育て応援シンポジウム2017」が3日、和歌山県和歌山市小松原通の県民文化会館大ホールで開かれ、子育て支援に積極的な企業や団体で構成する「わかやま結婚・子育て応援企業同盟」の発足式が行われた他、パネルディスカッション、「尾木ママ」の愛称で親しまれている教育評論家の尾木直樹さんによる記念講演が行われ、約1200人が聴き入った。
県主催。社会全体で子育て支援の仕組みを充実させていく取り組みのキックオフイベントとして開かれた。
シンポジウムは、社員や職員が結婚や子育てをしやすい職場環境の整備に取り組んでいる県内の企業や団体で構成する「わかやま結婚・子育て応援企業同盟」の発足式で開幕。
仁坂吉伸知事は、本年度が初年度にあたる県の長期総合計画に子育て環境の充実が盛り込まれていることにふれ「掛け声だけではいけない」と強調し、「参加企業・団体はある一定の条件をきっちりクリアしている」と積極的な取り組みを評価した。
企業同盟の代表に選ばれた太洋工業㈱(和歌山市)の細江美則社長は「(参加企業・団体が)お互いの経験を持ち寄り、切磋琢磨(せっさたくま)して職場環境を良くしていきたい。企業と行政が一体となってやっていく」と宣言した。
県によると、8月31日時点で、企業同盟への参加企業・団体は127社・団体となっている。
発足式に続いて開かれたパネルディスカッションでは、関西大学政策創造学部の白石真澄教授や子育て支援の活動に取り組むNPO法人「豊島子どもWAKUWAKUネットワーク」の栗林知絵子理事長らが「企業や地域がめざすべき子育て支援」と題して議論した。
白石教授は育児休業や出産休暇などの制度が拡充する一方で、第1子の出産を機に離職する女性が依然として多い現状を指摘。日本に求められる取り組みとして、労働時間の短縮による男性の家事参加促進や、柔軟な働き方の導入、保育サービスの拡充を挙げた。栗林理事長は1人親世帯の貧困についてさまざまな事例を示し、1人親に対する仕事や空き家の紹介に取り組んでいることを話した。
記念講演では、尾木さんが「子どもも大人も居心地のよい家庭・地域をめざして」と題して日本の教育が抱える課題を解説。子どもを社会の宝と考え、教育への投資を増やす傾向が世界的に広がっていることを挙げ「子どもが学び、生活しやすい環境をつくることが大切」と強調。人工知能(AI)の発達やグローバル化の進行で、求められる学力が変化している状況を説明し「日本は教育を根本から変えないといけない。単に記憶するのではなく、洞察力がとても大事になる」と話した。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。