平和の心伝える 3日ミュージカル有間皇子

有間皇子役に挑む和佐さん㊧

海南・万葉の会主催、劇団KCM共催のミュージカル「有間皇子」が11月3日午後2時半から、和歌山県和歌山市の県民文化会館小ホールで開かれる。同劇団が有間皇子をテーマに挑むのは3度目。メンバーは「有間皇子から現代を生きる私たちへの、他人を思いやる心や平和の大切さを伝えたい」と意気込んでいる。

同劇団は平成22年に市民劇団「KCM」として発足。和歌山の歴史や伝承にちなんだ作品を中心に発表してきた。

有間皇子は、大化の改新に伴って即位した孝徳天皇の子で、中大兄皇子(なかのおおえのみこ)と対立。同作は熊野古道の藤白坂で謀反の罪を着せられ、19歳で処刑されるまでの生涯を描いている。

平和を願い、戦うことなく旅立った有間皇子と、白浜の牟婁温湯(むろのゆ)で出会った、しらら姫との恋を盛り込み、華やかな歌や踊りが繰り広げられる。出演は、劇団KCMメンバーの他、公募者、「ふるさと劇団海南座」や大阪からも役者を迎え約20人が出演する。本番を前に団員たちの稽古も大詰めで、南野上公民館や海南市民会館などで連日練習。劇団KCMの代表で脚本・演出を手掛けた東道(あずま・みち)さんは「互いの国土を広げるために戦いを繰り広げていた当時と、各地で紛争が続きミサイルが飛ぶような不穏な現代はどこか似ている気がします。民のために戦うことをしなかった有間皇子の姿を通じて、本当の平和とは何なのかを皆さんと一緒に考えられたら」と話す。

今回、有間皇子役を演じる和佐裕一郎さん(28)は、劇団に入って7年ほど。ピアノの指導者だった母親の友香さんを春に病気で亡くした。芝居を続けることが心の支えになったといい「プロの方と一緒にでき、大きな刺激を受けます。有間皇子になり切りたい」と力強い抱負。

劇団員の募集を知り、入団を勧めてくれたのも友香さんだったという。「母も、自分のことより家族を大切にする人でした。この先も芝居を通じて成長していけるような気がしています。母が見てくれていると思って、皆さんの心に届くよう演じたい」と話している。

来年1月21日午後2時半から紀南文化会館小ホールでも、「劇団たなべ」らの協力を得て上演する。

チケットは1500円(当日2000円)。申し込みや問い合わせは劇団KCM(℡073-478-2711)。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。