バス、タクシーで新システム 和市が事業

JR和歌山駅に設置されているデジタルサイネージ

和歌山県和歌山市では2018年度の新規事業として、地域公共交通網形成計画の策定と和歌山バスの「バスロケーションシステム」の導入支援、加太地区のデマンド型乗り合いタクシーの運営支援を行う。利用者にとって便利な二つの支援が和歌山の交通網をどのように変えるのか注目されている。
バスロケーションシステムとは、走行中のバスの位置をGPSで把握し、利用者に通知するサービス。和歌山では初めての導入となる。渋滞や利用者の乗降で、バスを定刻通りに運行するのは難しく、和歌山バスでも「自分の乗りたいバスが今どこを移動しているのか分からない」という利用者からの意見も多く、課題解決のため導入が決められた。
バスの位置情報は各バス停に掲示されるQRコードからスマートフォンで見られる他、医大病院、日赤病院、マリーナシティではデジタルサイネージ(電子看板)でバスの行き先とともに確認できる。利用者が乗りたいバスは停留所をすでに通過したのか、まだ到着していないのかといった状況を把握できることで、利用者の不安やストレスも軽減される。
デマンド型乗り合いタクシーは停留所から目的地の停留所まで送迎するタクシーで、路線バスが廃止になった加太地区で移動手段として活用が期待されている。昨年8月に1カ月間の実証運行が行われ、3系統の運行ルートで1日24便を運行。運行後の住民アンケートでは停留所の増設や労災病院への延伸、運行ルートの改善といった意見が集まった他、運転ができなくなったら利用したいという意見もあり、将来的に必要性が高いとみられている。今後、運営は地域の組織で行われ、1便あたりの乗車人数向上や停留所、運行ルートの検討など課題を解消し、地域への浸透を進めつつ、加太以外での活用も検討されている。
混雑する市街地で大量輸送を担うバスと、交通手段の少ない地域で公共交通を担うタクシー。これまで詳細な交通計画がなかった和歌山市で、公共交通網の形成計画作成に向けた調査事業も始まる。対比的な二つの公共交通が山間部や海と市街地をつなげ、市全体を距離感の近いまちに変えていく。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。

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