伝統の漆塗り体験 黒江公民館の講座好評

漆塗りの工程を楽しむ参加者

黒江公民館主催の「はじめての漆工芸講座」(全10回)が1月から、黒江防災コミュニティセンターで毎月2回開かれており、参加者15人が地元の伝統工芸に親しもうと取り組んでいる。後半の7回目を迎えた12日は、黒地の漆の上に朱色の漆を塗る作業を行い、美しい仕上がりを目指して和気あいあいと熱心に技を学んだ。
講師に漆工芸作家の橋爪靖雄さん(83)を迎え、漆工芸の実技を学ぶことを通して、漆器の価値や漆器の町・黒江を理解し支える人を養成することが目的の企画。
講座には募集定員10人を超える20~70代の希望者があり、開講継続の要望も多いという。
参加者は、皿などに漆を塗っては、塗りむらを紙やすりで削って拭き、さらに漆を塗り重ねるという根気の必要な工程を、これまでに何度も繰り返した。この日はさらに朱色や黒の漆を布でこしてからはけで塗る作業に黙々と取り組んでいた。
橋爪さんは「完成の塗りが終わると、湿度や温度が管理でき、ほこりも避けられる室(むろ)に入れます。皆さんの真摯(しんし)な姿勢に感心するのみです」と話していた。
参加した同市重根出身の伊藤啓子さん(55)は「友人の祖父が塗り物の職人で作業場で遊んでいました。一度やってみたかったんです」、黒江でカフェの店主を務める瀬戸山江里さん(42)と日口奈央さん(37)は「作業中は〝無〟になれるところが楽しいです。作品への愛着が湧いてきます」「講座への参加は橋爪先生の浄國寺蒔絵天井画(海南市)を見て感動したのがきっかけです。お店でも漆器を使いたいです」と笑顔だった。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。

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