和歌山の独自性に感嘆 海外若手シェフ来県

田村専務理事㊨から紀州漆器の説明を受けるリーンハードさん㊧、モリアティさん

30歳以下の若手料理人が世界一を競う国際コンクールで優勝経験がある外国人シェフ2人が、7日から10日まで和歌山県内などを訪れ、特産食材や工芸品の産地を視察し、生産者と交流した。8日には海南市船尾の「紀州漆器伝統産業会館 うるわし館」を訪問し、伝統の紀州漆器の絵付けを体験した。

来県したのは、ネスレグループの飲料メーカー、サンペレグリノ社(イタリア)が主催するコンクール「サンペレグリノ ヤングシェフ」の第1回(2015年)チャンピオン、アイルランド出身のマーク・モリアティさん(26)、第2回(16年)王者でアメリカ出身のミッチ・リーンハードさん(31)の2人。産地視察は、ネスレ日本㈱と県の協力で行われた。

2人は、みなべ町で梅、御坊市でしょうゆ、古座川町でアユやジビエ、那智勝浦町で酢などの生産現場を見学し、料理を味わった後、料理を盛り付ける器についても学ぼうと、うるわし館を訪問。紀州漆器協同組合の田村彰男専務理事から紀州漆器の特徴や工程の説明を聞き、蒔絵(まきえ)が施された漆器を実際に手にすると、「とてもすてきです」と感激した様子で見入った。

さらに2人は蒔絵の絵付けも体験。繊細な手先を持つシェフらしく、器用に筆を使って接着剤を図柄にのせ、着色粉をかけ、作品を仕上げると満足そうな表情を浮かべた。

県内視察について2人は「生産現場では、昔ながらの方法を守っていることが高い品質を支えていることが分かった」と話し、紀州漆器に関しては「シンプルで美しく、小さな漆器の箱にチョコレートを詰めて提供してみたい」と笑顔。さらに「グローバル社会によってトレンドが似通ってきている中、大切なのは唯一であること。和歌山にはその独自性が多く存在する。自分自身を含め、地域の伝統文化を見直す必要があると思う」と話していた。

海南を後にした2人は高野山に宿泊して精進料理を楽しみ、10日には大阪のフランス料理店に勤務する18年コンクール優勝者、藤尾康浩さんを訪問した。

2人の視察旅行の様子は、同行取材した㈱料理通信社(東京都)がウェブで紹介し、世界の料理業界に発信される。

県食品流通課の赤坂武彦課長(54)は「訪問を通じて和歌山を気に入ってくれたようでうれしい」と話していた。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。