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2024.10.02
国の文化審議会は11日、和歌山市の岩橋千塚古墳群・大日山35号墳から出土した埴輪(はにわ)や須恵器など43点を、新たに国の重要文化財に指定するよう、文部科学大臣に答申した。指定されれば、県内の国宝と重要文化財(美術工芸品)は308件、このうち考古資料は7件となる予定で、考古資料の指定は昭和52年の高野山奥之院出土品以来となる。【写真は県教委提供】
大日山35号墳は、国の特別史跡岩橋千塚古墳群内にある6世紀前半の前方後円墳(全長105㍍)で、県内最大級の規模を誇る。答申されたのは、平成15年度から17年度にかけて行われた発掘調査で、東西にある造り出しと呼ばれる墳丘のくびれ部分から出土した形象埴輪や円筒埴輪など25点と、須恵器6点、埴輪や須恵器の破片12点。
形象埴輪の中には、翼を広げて鳥が飛んでいる姿を表現した鳥形埴輪や、頭部の両側に顔がある両面人物埴輪など、全国でも35号墳でしか見つかっていない独創的な埴輪が含まれる。
この他、別々に焼成された三部材を組み合わせた入母屋(いりもや)造りの家形埴輪は、大阪府の今城塚古墳からも出土し、配置にも類似要素があるという。
県文化遺産課では「独特な形の埴輪を含み、古墳時代における埴輪のバラエティーを見る上で大変貴重。畿内と隣接地域との関係を考える上でも、学術的価値が高い」としている。
答申された出土品の一部は現在、同市岩橋の県立紀伊風土記の丘で常設展示されている。