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デフバスケ日本代表監督 岩出の上田さん

公開日 2016.07.15

聴覚障害者のバスケットボール競技「デフバスケットボール」の日本代表監督に平成26年4月に就任し、競技の普及に取り組んでいるのが、岩出市中黒の上田頼飛(よりたか)さん(34)。自身もバスケ選手だった上田さんは、私立中学・高校の体育教員や高校のバスケ部顧問を経て、現在は家業の僧侶をしながら、指導に忙しい日々を過ごしている。

デフバスケのルールは健常者の競技と変わらず、コートの大きさやリングの高さも同じ。選手は、笛の音などが聞こえないため、表示板などの点滅や審判の体の動き、旗を目印にジャッジを確認する。ろう学校では、体の接触など危険なプレーの発生が懸念されるため指導を推奨しておらず、競技人口は、NPO法人日本デフバスケットボール協会への選手登録も全国で300人程度という。

現在、日本代表の練習は2カ月に1回、神戸福祉大学の姫路キャンパスで行っている。チームのマネジャーには私立開智高校卒業生の女子大学生2人が参加するなど、県との関係も深まっている。

最近の海外での公式試合の結果は、昨年7月に台湾で行われた世界選手権大会は男子13カ国出場中12位だったが、同年10月に同じく台湾で行われたアジア選手権大会では、8カ国出場で4位と健闘している。

試合中の選手への指示は、ホワイトボードに書き込んで伝えるか、指示を伝えたベンチの3選手を一斉に交代させ、ゲームの流れに反映させるなど、工夫して戦っているという。

上田さんは「選手たちの幸せを第一に考えて、日本代表監督として、県内を拠点に頑張っていきたい」と話している。