優れた農産物をはじめ県産品の魅力を国内外に広めようと、紀の川市遠方の果樹農家・田中啓友さん(40)が活動している。高品質ながら全国的な知名度がない産品の販路拡大に向け、広報活動が課題となる中、田中さんは行政や経済界を巻き込んで「フルーツファーム和歌山推進協議会」を設立。活動の第一弾として28日、和歌山市の和歌山城西の丸広場で大規模な県産品販売イベントを開催する。
田中さんは同市で、曾祖父の代から続く果樹農家を経営。約1・5㌶の面積でイチゴ・桃・柿などを栽培しながら、観光農園を開き、関西を中心に広域から多くの観光客を集めている。三重県の熊野工業高等専門学校(現・近畿大学高専)を卒業後、大阪府東大阪市の設計会社勤務を経て地元に戻り、家業を継いだ。
栽培に従事する中で、県産品のPR不足を痛感。取り組みを進める団体の設立に向けて各方面に協力を呼び掛けた結果、同市の中村愼司市長をはじめ、政治・教育・経済の各界から賛同を得た。現在は同協議会の法人格取得に向けて活動する傍ら、遠方地区に観光農園や産直市場、足湯、ドッグランなどを備えた約3万平方㍍の商業施設を建設するべく、多方面との交渉に奔走している。来年4月から順次、開業する予定となっており、本格的な活動開始に向け、県内各地で数回のイベント開催を計画している。
最初のイベントとなるのが、28日午前9時から午後4時まで、和歌山城西の丸広場で開く「和歌山フルーツフェスタ~in西の丸~」。オリジナリティーあふれる県産農産物の販売や、地元で活動する太鼓やよさこいなどのグループのステージ、アーティストのライブなどが予定されている。
販売ブースには現在、紀北を中心に県内全域から約30業者が参加する予定になっており、田中さんは「和歌山の農産物を何か一つでも扱っていれば出店できます。多くの方にブースを出していただければ」と呼び掛けている。
今後は県外での県産農産物の消費拡大を目指しており、田中さんは「近い将来、東京のお台場で大規模なイチゴの販売イベントを開きたい。そのためにも今回のイベントが重要。アクセスも良いので多くの方に足を運んでいただきたい」と熱く語った。
フルーツフェスタの1ブースの出店料は5000円。問い合わせは田中さん(℡080・1478・6445)。