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豊かな里山を トンボサミット県内初開催

公開日 2016.10.05

トンボの生息環境を通じて、豊かな里山や自然保護の大切さを考える「第27回全国トンボ・市民サミット和歌山大会」(実行委員会主催)が1、2の両日、和歌山市などで開かれ、自然保護団体らが環境保全の取り組みなどを紹介した。

サミットは平成2年から毎年全国で開かれ、県内では初開催。1日は海南市孟子(もうこ)の里山公園など3カ所で体験型見学会があり、2日に和歌山市の県民文化会館で開かれた本大会には全国各地から約240人が来場した。

熊野自然保護連絡協議会の南敏行会長が基調講演し、県内の紀北と紀南地方に生息するトンボの分布の違いについて報告した。

ナニワトンボやハッチョウトンボ、オオキトンボなど、絶滅が危惧されるさまざまなトンボの写真を生息地とともにスライドに映し、湿地の減少により紀北で姿を消したトンボが、紀南の湿地で多く見ることができることなどを紹介。「紀北は潜在的な多様性は高いが局地化が進んでおり、紀南では小規模な生息地が多数散在し、ネットワークができている」と話した。

また、自然回復を試みる会・ビオトープ孟子(海南市)が管理する孟子不動谷で調査活動をする子どもたちが報告。向陽中学校理科部の4人が、日本ユネスコ協会連盟の第1回プロジェクト未来遺産に登録された活動について、27年度の活動で準絶滅危惧種であるニホンヒキガエルの上陸亜成体の発見という大きな成果があったことを紹介した。

その他、東海南中学校2年生の宗尚輝君が、フクロウの仲間のアオバズクの食痕(しょくこん)調査の内容を紹介。報告者らによるパネルディスカッションがあり、昆虫採集が趣味の仁坂吉伸知事も駆け付けてあいさつした。