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メタンH採掘アイデア優秀賞 和歌山高専

公開日 2016.12.12

日本海や熊野灘など日本近海に存在し、次世代のエネルギー資源として注目されるメタンハイドレートについて、採掘技術のアイデアを全国の中学・高校生や一般から募集したコンテストで、和歌山工業高等専門学校(御坊市、角田範義校長)の物質工学科5年生チームが優秀賞を受賞した。

メタンハイドレートは、天然ガスの主成分であるメタンと水分子が低温・高圧状態で結晶化した氷状の固体物質。「燃える氷」と呼ばれ、資源の乏しい日本にとって、貴重な国産エネルギー資源になり得るものとして期待されており、存在状況の詳細な調査と採掘技術の確立が求められている。

県は、海中に溶け出したガスの泡(メタンプルーム)を魚群探知機で調べることにより、メタンハイドレートの存在状況を確認する独自の調査を、すさみ町沖などで行っている。

今回のコンテストは、日本海沿岸の12府県で構成する海洋エネルギー資源開発促進日本海連合が主催。日本海に多く見られる「表層型」と呼ばれるタイプの採掘のアイデアを中高生、一般の2部門で昨年7月からことし1月にかけて募集し、全国から200件以上の応募があった。最優秀賞各1点、優秀賞は中高生で4点、一般で2点が選ばれ、表彰式は先月行われた。

和歌山高専チームは、綱島克彦教授の指導を受ける嶋田仁さん、嶋田大海さんの2人。資源エネルギー庁の「エネルギー教育モデル校」事業の支援で行った課題研究「独立型太陽エネルギー供給システムによるメタンハイドレート回収法」で優秀賞に輝いた。

2人は、メタンハイドレート採掘の実用化が困難な要因の一つは分解するコストが高いことだと分析し、分解に必要な熱源を化石燃料に頼ると低コスト化は望めないと指摘。海上(船上)の集光機で太陽光を集める独立型のエネルギー供給システムを構築するアイデアを生み出した。集めた太陽光は光ファイバーで海底に送り、メタンハイドレートに照射して熱分解し、発生したメタンガスを回収するとしている。

受賞を受けて2人は「思いがけず受賞できて大変うれしいです。今後は和歌山県沖の海底に眠るメタンハイドレートもターゲットにして、採掘アイデアを出していきたい」と喜びを話している。