本年度末の開通を目指して建設が進む阪和自動車道和歌山ジャンクション(JCT、和歌山市湯屋谷)で18日、工事現場の見学会が行われ、約20人が完成前の高速道路を見学した。NEXCO西日本が開催し、同JCTの一般公開は今回が初めて。
同JCTは山間部にあり、橋脚の高さは約100㍍。阪和自動車道と京奈和自動車道、京奈和自動車道から白浜方面をつなぐ二つからなる全国でも珍しい構造となっている。同JCTにより阪和自動車道と京奈和自動車道がつながると、利便性が向上し、高野山など観光地への観光客増加、沿線の企業立地の進展など地域活性化にも期待が寄せられている。
今回は、同社が建設する京奈和自動車道から阪和自動車道上り線をつなぐAランプを見学した。
参加者はヘルメットに軍手、安全ベストを着用して工事現場へ。最初に車が走り抜ける阪和自動車道を見学。橋梁の建設などについて話を聞きつつ、参加者は車に乗っていては見られない光景をカメラに収めていた。
続いてメーンであるAランプに移動。地上約100㍍に位置する同ランプには工事用の階段を上がって向かい、風や人の動きで揺れる不安定な階段を上がり切ると、山や二つの自動車道を見下ろすパノラマの風景が広がった。
同ランプは阪和自動車道と京奈和自動車道をつなぐためぐるりとカーブを描いており、高所にあることから落下物防止の頑丈な柵が建てられていた。コンクリートの地面は今後アスファルトで舗装されるという。参加者は普段はまず見られないコンクリートの道路や、地上100㍍の風景を写真に撮っていた。
親子で参加した塚田知弘さん(41)は「日頃家族で走る道路が見られた。開通して通るときに『ここを歩いたよ』と言い合えたら」、亮成君(10)は「Aランプはすごく高かった。いろんなことが分かった」と楽しめた様子だった。
同社和歌山工事事務所の藤本聡和歌山工事長は「大人も子どもも普段見られない場所を見てもらえたので良かったのでは。見学を通じて事業の必要性も伝えられたら」と話していた。