ジャバラに抗肥満効果か ファイブワン研究
北山村原産のジャバラを使った食品やサプリメントの製造・販売を手掛ける㈱ファイブワン(和歌山市三葛)の坂本正博社長と大阪市立大学の共同研究で、ジャバラの果皮の成分に抗肥満効果が期待できることが分かった。同社は今後5年間をめどに、ジャバラの成分を生かした健康食品などを開発し、機能性表示食品の取得を目指す。県特産を使った新たな健康への取り組みが来年以降、本格化する。
ジャバラは「幻の果実」と呼ばれ、北山村を中心に栽培されているかんきつ類。ビタミンなどを豊富に含み、中でも果皮に多く含まれているフラボノイドの一種、ナリルチンが花粉症予防に効果があることが報告されている。
今回の研究では、ジャバラの果皮から抽出した成分が、脂肪細胞の分化を抑制するか、脂肪細胞内に蓄積された中性脂肪を分解することによって抗肥満効果を示すことなどが示唆された。
今月8日には、畿央大学(奈良県)で開かれた第57回日本栄養・食糧学会近畿支部大会で共同研究の成果を発表。今後はさらに研究を重ね、抗アレルギー効果や抗肥満効果、疲労回復効果などを検証し、商品化につなげたい方針だ。
坂本社長は、ジャバラを地方創生の活力にし、県産ブランドの確立を図ろうと取り組みを進め、和歌山市や海南市、同市下津町、有田市、広川町などのジャバラ農家と連携。同社の「じゃばら本舗」では県産ジャバラを100%使用したあめやグミ、サプリメント、入浴剤、マーマレードなど豊富な商品を販売してきた。「地域活性化のために多くのジャバラ農家と巡り合い、和歌山のジャバラを盛り上げていきたい」と意気込む。
近年、他県のジャバラ産業が追随してきていることから、「このままではジャバラが和歌山のものではなくなってしまう。『ジャバラといえば和歌山産』を確立したい」と思いは熱い。「県産ジャバラは花粉症の時期に多く求められるが、効果を多くの人に知ってもらい、年間を通して楽しんでほしい。県産のジャバラブランドをもっと浸透させたい」と話している。
記事元:わかやま新報
※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。