欠席率など影響検討 医食同源生薬研究財団

公益財団法人に移行し記者会見をした齊賀室長㊨、米井代表理事㊥、雜賀社長

東洋ライス㈱(和歌山本社=和歌山市黒田)と同社の雜賀慶二社長が設立し、研究者らでつくる医食同源生薬研究財団は4月、内閣府の認定を受け、公益財団法人としてスタートした。一般財団法人からの移行により、税制面で優遇を受ける一方、より厳しい法的基準を満たして公益事業を行う。本年度は、保育園や幼稚園約500施設、約2万5000人を対象に、給食で提供される米飯の種類(精白米、加工玄米)が欠席率や欠席事由に与える影響を検討する。

同財団は人々の健康と日本の医療費削減を目的に、「医食同源」の思想を社会的課題の解決につなげようと、昨年4月に一般財団法人として設立。

医食同源とは、病気を治療するのも日常の食事をするのも、ともに生命を養い健康を保つためには欠かすことができないもので、源は同じだという考え。

同財団では、米のでんぷん層とぬか層の間にあり、従来の精米法では取り除かれてしまう栄養成分を含む亜糊粉層(あこふんそう)を残した金芽米や玄米の要部を常食すれば、医療費も少なくなり、高齢になっても働けると考え、予防医学としての認知度を上げるために講演会を開くなど、精力的に啓発活動を行ってきた。

東京都内で記者会見した米井嘉一代表理事(64)は、「日本を支える次の世代への支援につながるようなデータを国に提示し、働き掛けをしたい」と抱負を述べた。

今回の認定を受けて、東洋ライスの雜賀社長(88)は、少なくとも10年間は毎年1億円を同財団に寄付することに変わりはないとし、「SDGsのための100億円基金も活用し、妊婦、小中学校の学校給食、自衛隊に対しては利益を無視して金芽米を提供したい」と表明した。

また、農林水産省産学連携室の齊賀大昌室長(49)は、岸田内閣がスタートアップ創出元年を掲げていることにふれ、社会的課題の解決に取り組む企業を支援したいと話し、「同財団が政府の認可を受けたことによって、これまで以上に国との協力体制を強化していきたい」と意欲を見せた。

同財団は研究助成事業を行うことも発表。22年度の助成金は総額上限3000万円、研究1件につき原則300万円以内。最大10件。来年の3月まで公募する。

その他、医食同源や生薬の分野で、高度な実証的研究などを行ってきた個人や法人への褒賞を設けるなどし、農水産物由来の食品の効果・効能について探索的な研究、作用機序の解明などを行うという。

昨今は、ウクライナ情勢など、諸外国の動向から国産品の重要度が増していくことが予想される。同財団が医食同源を証明することで、国産品などの需要バランスの健全化を図っていく。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。