ウイルス除去装置 和市の建創が独自に開発

「SYOUKI‐2」と建創の皆さん

和歌山市中之島の建具メーカー、㈲建創はウイルス除去装置「SYOUKI‐2」を開発した。微酸性電解水を噴霧し、超音波方式で空間に広げるシステムで、すでに県内約50カ所、約100台が導入されている。寺本博志代表取締役社長(75)は「人の暮らしに寄り添う安全な除菌ミストとして、まずは地元・和歌山で多くの人に使ってもらい、感染者数が減少してほしい」と期待している。

同商品で使用する噴霧用の「微酸性電解水」は、独立行政法人製品評価技術基盤機構(経済産業省所管)が新型コロナウイルスへの有効性を発表している。酸が細菌やウイルスのDNAを覆うタンパク質の膜を溶かし、空気に触れてバラバラになるDNAの性質から、殺菌効果が期待される。

発生させた消毒液の霧が空気より重い粒子に混じってすぐに落下してしまうのを防ぐため、同商品では内部ファンに粒子を選別できる「煙突方式」を採用。重い粒子は噴射せずタンク内に戻し、軽い霧だけを噴射することで、消毒液が空間に広がる。

約20回の噴射で6畳の空間を満たせるとし、必要な量のみを噴射できるようタイマーも設定。2分経過ごとに40秒間噴射し、一日8時間使用した場合、10㍑の消毒液は約2カ月間もつという。

同商品の開発は、まだ国内では新型コロナ感染者が確認されていなかった2019年12月、同社テクノロジー事業部の小林和夫開発部長(66)が、中国人観光客が多い京都・祇園の知人から依頼されたのをきっかけに始まった。

20年10月に消毒液を過熱式でミストにするタイプの1号機が完成し、商品名は疫病退散の神様として知られる「鍾馗(しょうき)」から付けた。同事業部の岩佐浩伸設計課長(51)と共に改良を重ね、21年7月に超音波方式を採用した現行の2号機が完成。同11月には、厚生労働省が微酸性電解水の室内噴霧を認可している。

ウイルスや雑菌などを感知する測定器を使った実験では、噴霧された消毒液にかざしたスマートフォンが、ほぼ雑菌が付着していない状態になる結果も得られ、小林開発部長は「効果は目には見えないが、導入していただいた所ではコロナの感染者は出ていないと聞いている」と商品に自信を見せる。

充電式の小型タイプ、自動車のシガーソケットなどで使用できるタイプも開発し、和歌山市では市長の公用車にも採用。ケースには殺菌効果が期待される紀州材のヒノキを使用しており、今後は「SYOUKI‐2」でも紀州材を用いるという。

寺本社長は「〝メイドイン和歌山〟にこだわった商品をタクシーやバスなど車内でも活用してもらいたい」と願っている。問い合わせは同社(℡073・499・6027)。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。