首相に爆発物投げる 遊説前の雑賀崎漁港騒然
15日午前11時半ごろ、岸田文雄首相が遊説に訪れた和歌山市の雑賀崎漁港で、筒状のものが投げ込まれ、爆発音がした。岸田首相はその場を離れ、無事。投げ込んだとみられる男はその場で取り押さえられ、警察が連行した。けが人の情報はない。
岸田首相は同日、衆院和歌山1区補選の自民党公認候補の応援のため、同市を訪問。現場に居合わせた記者や会場の目撃者によると、岸田首相が同漁港の施設を視察し、用意された刺し身を食べた後、演説を始めようとしたところ、聴衆の中にいた20~30代ぐらいとみられる男が銀色の発煙筒のような物を投げ込んだ。
男は白いマスクを着け、ジーンズのようなものをはいており、周囲の漁師や警察官に取り押さえられたが、男の足元にもう一つ同じ筒状の物が落ちたため、「離れろ」との声が飛び交う中、大きな爆発音がし、周囲は白い煙に包まれた。最初に投げ込まれた物が爆発したとみられている。
騒然とした現場から男は無言のままパトカーで連行され、聴衆や関係者は警察の誘導に従って避難し、周辺には非常線が張られた。
男のすぐ近くにいたという市内の女性(46)は「普通に話を聞きに来ただけなので、すごくびっくりし、怖い思いをした。子ども連れの人もいて、赤ちゃんも泣いていた。爆発前に音や臭いには気づかなかった」と緊迫の時間を振り返り、同市築港の会社員男性(31)は「投げ込まれた瞬間は見ておらず、集まった人たちが散り散りに動きだしたので、何があったのかと思ったら、男が取り押さえられ、爆発音がした。近距離で見る打ち上げ花火の大玉ぐらい大きな音だった。まさか雑賀崎でこんなことがあるなんて」と驚いていた。
岸田首相は、同漁港での遊説は中止したが、約1時間後のJR和歌山駅前での街頭演説を予定通りこなし、次の遊説先に移動した。
記事元:わかやま新報
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