IT企業進出続く 県が「42東京」と連携へ
和歌山県と和歌山市は15日、企業向けのソフトウェア開発やシステム構築などを手掛ける㈱写易(東京都中央区、佐藤恒雄代表取締役)が市内に新オフィスを開設すると発表した。IT企業の進出が相次いでいることについて岸本周平知事は、県としてDX(デジタルトランスフォーメーション)に力を注ぐ中、IT人材が必要だとし、「県内での人材育成にも資する。できる限り多く進出してもらいたいし、県内でも起業してもらいたい」と期待を話した。
写易は、自社パッケージによるウェブサイトの構築、マイクロソフト365などのクラウドソリューション、スマートフォンや生体認証を利用したDXソリューションを積極的に展開。和歌山オフィスは、関西・西日本エリアのITビジネスを担当し、本社の開発業務を国内の地方事業所に委託する「ニアショア開発」の拠点などとしても稼働する見通し。
新オフィスは、同市東蔵前丁のファーストビル4階(南海和歌山市駅前)に設置し、3年間で正社員15人(うち地元12人)を雇用する予定で、6月の操業を予定している。23日に県庁で、県、市と同社による進出協定調印式を行う。
東京で困難となっている人材の確保を地方で行いたい事業者側のニーズがある中、積極的な誘致活動も功を奏し、同市にはIT企業の進出が相次いでいる。市によると、2022年度中に進出が決まったIT企業は、今回の写易を含めて6社に上る。
こうした活発な動きの中、県は、フランス発祥のプログラミングのエンジニア養成機関「42東京」との連携に向け、協議を進めている。
他の受験生と協力しながら4週間にわたって課題に挑戦するユニークな入学試験や、講師や授業がなく、学生同士で知識をシェアし、課題をクリアしていくカリキュラムなどの独創的な人材育成機関として知られ、学費は無料。21年の世界の大学ランキングではトップ10入りしている。
岸本知事は「全く新しい教育方法で非常に面白い学校であり、県とどのような提携ができるか、検討を始めている」と話している。
記事元:わかやま新報
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