人権3施策に意見募集 パートナーシップ制度等
LGBTQ(性的少数者)のカップルに対し、パートナーの関係にあることを自治体が公的に認める「パートナーシップ宣誓制度」の導入に向け、和歌山県は29日、パブリックコメントを9月の1カ月間、実施すると発表した。障害者差別解消条例(仮称)の新規制定、既存の部落差別解消推進条例を強化する改正と合わせて三つの人権施策について県民の意見を募集し、本年度中の施行を目指している。
【写真】パブリックコメントの実施を発表する岸本知事
パートナーシップ宣誓制度に関して県はすでに、県民への行政サービスや庁内の職員に対する事務などで事実婚や同性カップルなどを法律婚と同様に扱い、不利益が生じないようにしている。
さらに宣誓制度を導入する目的について岸本周平知事は、県の対応状況を知らない県民に対する周知徹底と利用の推進を図る広報効果、窓口事務が多い市町村に問題意識を持ってもらう啓蒙効果の2点を挙げた。
全国には宣誓制度を条例に基づく取り組みとしている自治体もある中、今回のパブリックコメントで条例化をしない理由について岸本知事は、「最終的には条例という形もありうると思うが、まずはステップバイステップ(段階的)で、皆さんの理解をいただきながら進めていきたいという趣旨だ」と説明した。
障害者差別解消条例では、障害者差別解消法に規定されている、障害を理由とする不当な差別的取り扱いの禁止、合理的配慮の提供を義務付ける他、紛争の防止や解決を図るために必要な体制整備を行うとしている。
岸本知事は「もっと早くやっておくべきだった。障害者差別を禁止する条例がなかったことがおかしい。私が就任して、最速のスピードで提案させていただく」と述べた。
部落差別解消推進条例では、結婚や就職に際しての身元調査、不動産取引に関連した調査で部落差別を行った県内事業者に対し、県からの勧告に従わない場合に、その事実を公表できるよう定めるなどの改正を予定している。
条例に関する2件は12月県議会への提案を目指す。
各施策の案は、県ホームページや県庁情報公開コーナー、各振興局などで閲覧できる。意見の様式は任意で、住所、名前、電話番号を記入し、郵送、ファクス、メールのいずれかで提出する。提出先は、パートナーシップ宣誓制度についてが青少年・男女共同参画課、障害者差別解消条例についてが障害福祉課、部落差別解消推進条例改正についてが人権政策課。
記事元:わかやま新報
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