AEDをいち早く 智弁生の考案に文科相賞

「信じて続けたことが評価されてうれしい」と岡田さん

必要とする人の所へAED(自動体外式除細動器)がより早く届く仕組みを智弁和歌山高校3年生の岡田紗季さん(有田市)が考案し、「全国高校生マイプロジェクトアワード2016」で文部科学大臣賞、「inochi学生フォーラム2016」で全国3位を受賞した。位置情報を活用し、AEDが必要な場所に来るようにする逆転の発想や、実体験に基づいた行動、世界に通用するアイデアであることが高く評価された。

岡田さんが考案した「AEDi」は、AEDにタブレット端末を取り付け、位置情報を表示して知らせることにより、AEDの近くにいる人が急病人の場所まで届けるというプラン。通報を受けて消防が急病人の位置情報を確認し、遠隔操作で最寄りのAEDのアラート(警報)を鳴らし、現場の地図を表示する。

現在、国内には64万台のAEDが設置されているが、場所が分からなかったり、遠かったりすると、必要とする現場へのAEDの到着には時間がかかる。

岡田さんが高校1年生の時、祖父が心筋梗塞で倒れた。一命は取り留めたが、その際何もできなかった悔しさから「今の自分に何かできないだろうか」と思ったことが、AEDや医療について考え始めたきっかけ。国内の心臓突然死は年間約7万人に上り、AEDがあれば心肺停止した人の生存率は5倍になるといわれている。国内のAEDが3・7%しか使われていない現状を知り、救える命を増やすため有効活用できるようにと、AEDiを考えた。

岡田さんは同フォーラムを主催しているinochi学生プロジェクトのメンバー。若者の力で医療問題を解決するため、全国の大学生、関西の中高生らが講義やワークショップなどを行う活動の中で、岡田さんは日本のAEDの現状について研究を深めてきた。

プランのプレゼンテーションにあたり、有田市役所と市消防本部、㈱オークワに協力を依頼。実際に消防が遠隔操作でアラートを鳴らし、市役所と同社の職員のスマートフォンに位置情報を送信してAEDを届ける実証実験を行った結果、到着まで従来は平均で約9分かかっていたところが、平均2分31秒まで縮めることができた。

岡田さんは「人を助けたいと思ってしてきたことが評価されてうれしい。実験にも偏見を持たず、優しく協力してくれた。これから自分のような学生が現れたら、向き合って支援していきたい」と感謝と喜びを語った。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。