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俳句甲子園で優秀賞 桐蔭高2年松本さん

公開日 2017.09.15

全国の高校生が自作の俳句とディベートで競う「第20回全国高校俳句選手権大会」(俳句甲子園)が8月19、20日に愛媛県松山市で開かれ、和歌山県立桐蔭高校創作部俳句班の2年生、松本梓紗さん(16)の「髪洗う姉のお下がり脱ぎ捨てて」が個人の部で優秀賞・西村和子選に輝いた。

同部は昨年発足。県大会で初優勝し、ことし全国へ初出場した。団体戦と個人の部があり、団体戦では互いの俳句についてディベートを行い、勝敗を決める。個人では団体戦で出品された1600句の俳句から最優秀賞、優秀賞、入選が決まる。

西村和子さんは句集『夏帽子』『かりそめならず』などを出版している他、句誌「知音」を創刊し代表を務めている大会の審査委員の1人。

大会では俳句のテーマとなる兼題が与えられ、同部は部員7人が一つの兼題につき約50句を考えた。登下校や部活動の間はもちろん、授業中に兼題の言葉が登場すると意識してしまうぐらい考え続けたという。松本さんが入賞した作品を思い付いたのは提出期限も近づいた頃、母親が自分のタンスの中身を衣替えしているのを見て、幼い頃タンスの中身は仲の良いいとこのお下がりが入っており、いとこは好きでも、お下がりは嫌で脱ぎ捨てていたことを思い出したのがきっかけという。

団体戦に出す句はチームで相談して決めた。普段は奇抜な言葉の組み合わせを選びがちだったが、松本さんの句は情景の想像ができて、感情移入しやすい句として部内でも好評だったことから、予選リーグで発表する一句に選ばれた。それからは部活が終わった後も、盆休みもずっとチーム一丸となって俳句の研究や新しい句の考案に打ち込んだ。

表彰式では、自分の句が読み上げられていることに気付かず、先にチームのみんなが喜んでくれたことでようやく気付き、びっくりしたという松本さん。「チームのみんなのおかげで取れた賞なので、本当に感謝したい。これからは共感、想像できる俳句を目標に詠み、いろいろな俳句を見ていきたい」と話していた。

同班では、今後も全国大会を目指し、練習の見直しや大会で出会った他校とも試合を重ねていきたいとしている。