和歌山県立博物館の特別展「紀州東照宮の宝刀」
和歌山県立博物館で、紀伊徳川家の歴代藩主・当主が奉納した刀剣などを紹介する特別展「紀州東照宮の宝刀」が開催中。
太刀、糸巻太刀拵(いとまきたちごしらえ、外装)に加え、再調査された太刀金具類、管理や保存に関する古文書・記録などが展示されています。
重要文化財・県指定文化財含む38件140点、期間は6月2日(日)まで。
紀伊徳川家初代藩主・頼宣が、父・家康をまつるため、1621(元和7)年、建立した紀州東照宮(和歌山市和歌浦西)。1927(昭和2)年まで、歴代ほとんどの藩主・当主が、代替わりや家康の50回忌ごとに太刀を奉納してきました。
特別展では、家康の遺産の太刀や和歌祭の神輿(みこし)行列で使われていた太刀を含め、平安時代~江戸時代の名刀がずらり。蒔絵(まきえ)と金貝(かながい)が交互に施された葵(あおい)紋の拵(こしらえ)なども見どころの一つです。同館学芸員・竹中康彦さん(写真上)は「同じ刀工が作ったものが一つもなく、時代によって太刀の反り具合や刃文の形状が異なります。刻まれた刀工の名や産地などからも、当時人気のあった太刀を奉納していたことが分かります」と伝えます。
今回の再調査で、盗難被害にあった太刀金具が、どの太刀のものだったかを特定。他にも、奉納の際の鑑定書や目録なども並んでいます。竹中さんは「奉納された太刀を全て紹介する機会はなかなかありません。戦前から注目されていた名刀もあり、どのように保存、活用されてきたのかも知ってもらえれば」と話しています。
博物館講座とミュージアムトーク
5月26日(日)博物館講座
「近代文化財制度と紀州東照宮の奉納刀」
午後1時半~3時、同館2階
申し込み不要、直接会場へ。無料。
6月1日(土)ミュージアムトーク
午後1時半から、同館1階展示室
申し込み不要。入館手続きを済ませ、
展示室入口に集合。無料
どちらも講師は竹中康彦学芸員
【開催期間】6月2日(日)まで
【開館時間】午前9時半~午後5時(入館は4時半まで)
【休館】月曜
【入館料金】一般520円、大学生310円、高校生以下・65歳以上・障害者手帳の交付者などは無料。6月2日無料
【問い合わせ】☎073(436)8670和歌山県立博物館
名称 | 和歌山県立博物館 |
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所在地 | 和歌山県和歌山市吹上1-4-14 |
電話番号 | 073-436-8670 |
営業時間 | 9:30~17:00(入館は16:30まで) |
定休日 | 月曜(ただし祝日の場合は、その翌平日)、 年末年始、 臨時休館日(展示替え期間など) |
web | https://hakubutu.wakayama.jp/ |
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