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わたしを満たす朝茶を『じょんのび』で【和歌山県有田川町】

公開日 2024.05.24

和歌山では“山のカフェ”の草分け的存在である『じょんのび』(2001年開業)。美味しいランチがいただけることで知られていますが、今回は「わたしを満たす朝茶の時間」と題し、日々あわただしい時間を過ごす方々に、朝茶の提案を中心に紹介します。

有田ICからわずか3分
自然あふれる山のカフェ

阪和自動車道有田インターチェンジから側道を北側へ。急勾配の坂道を登っていくと、竹林に覆われた『じょんのび』の駐車スペースに突き当たります。

車を降り、木のトンネルの坂道を下りていくとログハウスが現れます。

SNSの写真などで見ていると、どんな山奥にあるのだろうかと想像しますが、眼下にはJR藤並駅を望む便利な立地です。オーナーのジュンさん曰く「便利な田舎」。

「朝茶はその日の難逃れ」
朝に飲むお茶は縁起がいい

ゆっくり時間をかけて淹れたかぶせ茶に月桃の実を浮かべて、爽やかな初夏の香りを…。「朝茶はその日の難逃れ」という言葉があります。朝飲むお茶は縁起がよく、その日一日の災いから守ってくれるという意味です。

この日のお茶は、「安吉白茶(アンジーバイチャ)」と呼ばれる中国緑茶。「白茶」と呼ばれますが、製法は緑茶と同じ。春先の1ヶ月ほどしか採れない貴重なお茶です。

「アミノ酸の含有量が、普通の緑茶の3~4倍あるので、解毒効果も期待できます」とお茶だけではなく、栄養学にも精通されているオーナーのジュンさん。この他にも、「神農伝説(※注釈)」のお話など、豊富な知識をさらっと教えてくださいました。

2杯目との味の違いをぜひ。「作法は不要。ただお茶の時間を、朝の空気を感じながら愉しんでもらいたい」というジュンさんとの会話も朝茶の楽しみ。

モロッコのミントティー。砂糖をゆっくり溶かしながらミントの香りも愉しんで。

「旅するお茶屋」
オーナーのお茶への想い

古い水屋箪笥の中には、所狭しと日本だけでなく海外の器も。器やお茶への愛を感じられます。

若い頃からアジア各地を旅して来たジュンさんは、「いつか、旅をしながらお茶を点てたいと思っていました。ありとあらゆるお茶に興味があります」と話します。旅先で集めてきた器やカトラリーで淹れてくれるお茶や料理を愉しんでいると、『じょんのび』にいながら世界各地を旅している気分に。

季節感と栄養のバランス
ランチとスイーツを堪能

ランチは、「アジアごはん」か「パスタランチ(パン・サラダ付き)」の2種類からチョイス。どちらもコーヒーか紅茶が付いて1000円(その他の飲み物+100円)。懐にも優しいお値段ですね。

この日のランチは、「韓国ビビンバ(わかめスープ付き)」。合挽肉にナムル、玉子、韓国海苔と共に、甘辛く味つけられた厚揚げがのっていました。

たんぱく質もしっかり、栄養バランスを大切にしているという、心遣いを感じることができます。

ランチには「心と体が元気になって欲しい」と始めた「にんじんとりんごのジュース」がサービスで付いています。ちなみに、食前に野菜ジュースを摂取すると、血糖値の上昇を抑制すると言われています。

スイーツは、この時期限定「うすいえんどうのチーズケーキ」。えんどうと砂糖だけで作った贅沢な三層のチーズケーキ。チャイと一緒にいただきました。優しいお味で、旬を感じられ大満足です。

写真左側は、ジュンさんのご主人・元さんで、「じょんのびあんこ部」担当。手作りのおはぎを並べていました。写真右側は、オーナーのジュンさん。

イベントなどでも大人気のおはぎはテイクアウトOK。

ジュンさんが韓国で買ってきた重みのあるステンレスのお箸。ビビンバはこれを使い、カトラリーが違うだけで、食感まで変わるのだと感じました。「その土地の料理は、その土地の食器を使った方が美味しく感じられる気がして」の言葉に納得。

心と体を満たすため
“じょんのび”しに行きませんか

店名の『じょんのび』とは、ご主人の故郷である新潟の方言で、「ゆったり、のんびり。良い塩梅」との意味合いがあります。朝のお茶の時間も雨の昼下がりも、いつ訪れても気持ちが良い場所。今は、こちらにアオバヅクというフクロウが渡って来ているとか。誰もが心と体が満たされる『じょんのび』に、ぜひ。

2024年7月頃にはハワイのお茶会、晩秋には茶道の夜咄(よばなし)を取り入れた、作法などにとらわれない、和ろうそくの明かりだけで、五感を使い、みんなで楽しむお茶会も予定されています。

名称 AsianFactory&Cafe じょんのび
所在地 和歌山県有田川町明王寺178-19 地図
電話番号 0737-52-2291
営業時間 9:00〜17:00
※水・木・金・土曜のみの営業
駐車場 あり
Instagram @ziyonnobi

※注釈:中国の薬祖神。古代中国の伝説上の帝王・神農が、草木をなめ、その効能を調べ、教えたという故事から、中国では、医薬の神様としてまつられている。わが国でも、古くからの医家や薬屋を訪ねると、神農像がまつられているのを見ることが可能(薬の博物館より)