和歌山県立博物館で、来年3月まで行われている世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」登録20周年を記念した特別展「聖地巡礼―熊野と高野―」。第2期「神仏・祖神の住まう山―高野山上・山麓の宗教文化―」の後期展示が、9月29日(日)まで開かれています。展示は国の重要文化財などを含め55点。
後期は、弘法大師空海が開創した真言密教の道場、高野山を舞台に、地主神である丹生都比売(にうつひめ)神社と寺の所領だった村々に残る芸能(法会)にスポットが当てられています。芸能の中でも舞楽を伴うものについて、同館学芸員・島田和さんは「最盛期は鎌倉時代後期でした」と説明。続けて、「しかし、高野山上では、管弦歌舞は禁じられていました。そのため、高野山の僧侶は山を降り、丹生都比売神社などの祭礼に携わっていました」と話します。
高野山や山麓の村々には、神事を行うための猿楽の面や、刺しゅうが施された鮮やかな舞楽の装束などが現存。展示を通して時代をさかのぼり、当時の人々の暮らしをも伝えています。島田さんは「祭礼を行うのは今も昔も簡単ではありません。村々の人が力を合わせ、誇りを持って受け継いできたことを感じてもらえれば」と話しています
スポット展示には、同館所蔵の高野山にまつわる経典が展示されています。
特別展に合わせたスタンプラリーも実施中。
ミュージアムトーク
9月16日(祝)、21日(土)
13:30から1階展示室で。
入館手続きを済ませ、展示室入口に集合
講師は島田和学芸員
申し込み不要。参加無料
博物館講座「木喰応其(もくじきおうご)と高野山」
9月7日(土)13:30~15:00
県立近代美術館2階ホールで。講師は前田正明学芸員
申し込み不要。参加無料
【開催期間】9月29日(日)まで
【開館時間】9:30~17:00(入館は16:30まで)
【休館】月曜休館 ※9月16日・23日開館、翌火曜休館
【入館料金】一般520円、大学生310円、高校生以下・65歳以上・障害者手帳の交付者などは無料
名称 | 和歌山県立博物館 |
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所在地 | 和歌山県和歌山市吹上1-4-14 |
電話番号 | 073-436-8670 |
営業時間 | 9:30~17:00(入館は16:30まで) |
定休日 | 月曜(ただし祝日の場合は、その翌平日)、 年末年始、 臨時休館日(展示替え期間など) |
web | https://hakubutu.wakayama.jp/ |
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